表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/86

薬剤師

 医務室は、学生課の近くにあった。どうやら、学生課の近くに施設が集中しているようだ。医務室に入ると、初老の男性が本を読んでいた。おそらく彼が校医だろう。


「何の用だい。」 


 ブレットに気づくと話しかけてきた。少し高い神秘的な声である。


「ブレットといいます。ペコラさんに言われてきました。」


「ああ、君がブレット君か。ペコラから聞いているよ。昨日、補講で無理をしたんだって。僕はムートン、この学校の校医で薬剤師だよ。」


(正確にいうと、無理をさせられんだが・・・)


 もちろんそんなことは言えない。


「今朝は痛みでほとんど動けませんでした。ペコラさんが持ってきたポーションを飲んで楽になりましたが。」


「一応、診察をしておこうか。」


 と言って体中をまた触られる。


「飲んだポーションは青い色だったろ。それは、クーラーポーションといって、体の炎症を抑える効果がある。効果は約一日。見たところ明日の夜までは炎症が引かないだろうから、もう一本渡しておこうか。」


 と言ってムートンさんはポーションを差し出す。


(またあの不味い薬か)


 と思っていると、釘を刺された。


「不味いけど、ちゃんと飲むんだよ。」


 俺は今朝の薬代と合わせて200ゴールドを差し出す。ムートンさんはそれを受け取る。


「学生から代金を取って申し訳ないんだが、学校の方針でね。ただで治療をするとそれに甘えて、無理すをする学生が増えるんだよ。そうすると、自分の実力を正確に測れなくて、冒険者になってからも無茶をするんでね。」


「気を付けます。」


「まあ、だからといって、怪我をしても医務室に来ないというのはダメだからね。死んでしまったら、さすがの僕でもお手上げだからね。腕一本ぐらいなら生やすことができるけど。」


(・・・ん?腕を生やすことができる?回復魔法か?)


「ムートンさんは回復魔法も使えるんですか?」


「僕はできないよ。回復魔法は特殊だからね。僕は薬剤師だから治療は薬だけだよ。薬剤師のスキルは結構便利だから君も覚えるといいよ。」


「薬で腕が生えるんですか?」


「うん。再生力上昇ポーション(極)ってポーションと栄養ドリンク(極)、あとは症状に合わせた薬だね。調剤スキルLv8ぐらいで作れるようになるよ。」


(Lv8!まじか)


「薬剤師がパーティーにいると体力回復、状態異常回復、ドーピング、耐性強化などいろいろできるからね。敵のステータスを下げる薬とかもあるよ。よかったら、君も薬剤師を目指さない?」


(薬剤師、おそるべき。)


「考えておきます。」


俺はそういうと、医務室を後にした。



部屋に帰るとカストールも戻ってきていた。カストールも冒険者登録をしたみたいで、ギルドカードと睨めっこをしていた。


「おっ。おかえり。どうだった。」


「明日の夜には治るって。」


「よかったな。ところで、お前、冒険者登録してたよな。スキルはどんなだ?」


俺とカストールはギルドカードを見せ合った。俺のカードを見たカストールはびっくりして声を上げる。


「なんでお前、こんなにスキルあるんだよ?」


俺は補習でペコラさんからスキルを認定されたことを伝える。


「ちぇっ。それなら、俺も出ればよかった。」


カストールは残念がっていたが、俺は怪物(モンスター)とたたかわされたんだが・・・。


「で、お前はアーチャーでも目指すの?」


カストールが尋ねてくるが、実感がわかなかった。狩りの手段として弓は鍛錬していたが、弓が好き、というわけではなかった。もちろん、嫌いではないが。


「いや、わかんないな。とりあえずは、いろいろスキルを取ってみるよ。」


実際、ムートンさんと話をして、薬剤師も面白そうだと感じたからだ。


「なるほど、お前はペコラさんみたくパーフェクトマンを目指すのか。」


なぜか、カストールは勘違いをしていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ