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北の森

 街を出て北の森を目指す。日が出てきてあたりは明るくなり、気温も上がってきている。絶好のハイキング日和である。北の森までは徒歩30分ということらしい。


「ペコラさん。巨大豚(ジャイアントピッグ)ってどんな動物なんですか?」


「ちょっと大きな普通の豚ね。普通の豚と比べてちょっと狂暴で人を襲うから討伐対象なの。」


(人を襲う?その時点で普通でない気がするんだが・・・)


「っていうか野生化した豚って、イノシシのことですよね。」


「そうなの?見た目は豚だけど。短毛で肌は少しピンクっぽくて、大きな牙もないわね。」


「確かにその特徴は豚ですね。」


「でも言われてみると、行動はイノシシに似てるわね。基本は突進してくるだけよ。」


「ということは、イノシシ狩りみたいなもんですか。」


「そうね。見たらわかると思うけど、絶対に前に立っちゃだめよ。跳ねられると死ぬから。」


(死ぬから?なんか物騒な言葉がでてきたな。)


「ブレット君。とりあえず、一人でやってみて。やばそうなら手伝うから。」


「一人で大丈夫なんですか。」


「大丈夫、大丈夫。そんなに強くないから。」


「・・・わかりました。」


 イノシシは何度も狩ったことがある。弱点は眉間だ。一番いいのは罠で動きを止めて、剣で仕留めるのだが、今回は罠がない。しかたないので、弓で眉間を狙って弱らせ、剣で止めがいいはずだ。最大で2メートル近くのイノシシは仕留めたことがある。少しくらい大きくても何とかなるはずだ。不安をぬぐい切れないブレットであったが、渋々従うのであった。


 しばらくすると、北の森に辿り着いた。俺は森の様子をうかがう。薄気味悪い森だ。巨木が生い茂り、地上まで光が届かず、昼間であるのに薄暗い。動物がたくさん生息していそうだが、姿が全く見えない。まるで何かに怯えるかのように隠れているようだ。地元の森と違って、空気が重い。そういえば、親父がいってたな。「空気が重い森は空気中に魔素を多く含んでいて、獣が大型化したり狂暴化したりする」と。この森は正にそうなのだろう。


 俺は姿隠しのスキルを使う。狩人が獲物に見つからないようにするスキルだ。自分の臭いと気配を消すことができる。音と姿は消せないので、音を出したり、姿を見られたりするとアウトだが、獲物からの発見をかなりの確率で回避できる。


「それじゃ、頑張ってね。見守っているから。」


 振り返ると、ペコラさんの姿は消えていた。気配もしない。おそらく姿隠しの上位スキルを使用したのだろう。


 俺は音を立てないように注意しながら、森に入っていく。地面に落ちている糞や食べ残した木の実、足跡、獣道などを探して、獲物を探していく。同時に周囲に危険がないかと注意も必要である。肉食獣から襲われる可能性もあるためだ。

 しばらく進むと、大きな獣道を発見する。通常、幅が2~30センチなのだが、2メートル近くある。通常の7~8倍の大きさだ。となると、ここを通った獣の大きさもかなりのもの、ということになる。7メートル、下手をしたら10メートルほどの大きさの可能性もある。


 不安を押し殺して、探索を再開する。獣道は大きかったので後を追う。何本もの大木が押し倒されている。嫌な予感がする。池のほとりで水を飲んでいる巨大豚(ジャイアントピッグ)を発見する。初めて見たが、まず間違いないだろう。見た目は間違いなく豚である。ペコラさんの言ったとおりだ。ただ、大きさが異常だ。通常の豚が1メートルぐらいなのに対して、巨大豚(ジャイアントピッグ)は10メートルほどはありそうだ。


(ペコラさん、これのどこがちょっと大きい豚なんですか。)



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