新入生のしおり
部屋につくと明日の用意を始める。と言っても、家から持ってきた、弓矢と矢筒、それとショートソードを確認するだけだが。
(本当に弓矢は必要なんだろうか)
疑問は残るが、店員を信じるしかない。時間が余ったので、新入生のしおりを読んで寝ることにした。
新入生のしおり
1 当学校は優れた冒険者を育成することを目的としています。座学もありますが、基本は実地訓練です。怪我などには気をつけて下さい。万が一、命を落としても責任は負いません。
2 進級・卒業について
当学校は3年制の学校です。1年は前・後期に分かれ、それぞれに期末試験があります。前期は4月から7月、後期は10月から2月前半です。これらの期末試験に合格し、必要なスキルをすべて修得すると進級となります。期末試験の不合格者は補講後、再試験が1度だけ可能です。
3年の後期期末試験は卒業試験となり、その試験のクリアにより、当学園の卒業資格が与えられます。
3 長期休暇・短期休暇について
長期休暇が年に2回あります。8・9月の夏季休暇と2月後半・3月の年度末休暇です。その他に12月の末から1月の頭にかけて冬季休暇という短期休暇があります。この期間は通常授業は行われませんが、特殊授業、補講は行われます。
4 スキルについて
学生は冒険者ギルドが定めるスキルに基づいて評価されます。スキルはLv1~Lv10に段階があります(いくつか例外あり)。通常、Lv1・2は素人レベル、Lv3・4で初心者レベル、Lv5~7は中級者レベル、Lv8・9は上級者レベルと言われ、最高レベルのLv10は計測不能なレベルと分類されています。
スキルの習得は授業の履行もしくは特別試験のクリアが条件となります。
5 冒険者資格について
本学生は無条件で学生冒険者登録資格を得ることができます。学生冒険者とは本校に在校中の冒険者の事で、卒業、退学したものはその資格を失います。学生冒険者は冒険者ギルドにて依頼を受注することが可能です。ただし、受注できる依頼は通常の冒険者と比べていくつかの制約を受けます(詳しくは別途)。
本学生で冒険者資格をすでに有しているものは、在学期間中は一時的にその資格を停止します。退学もしくは卒業後、冒険者資格と学生冒険者資格は統合されます。
6 学校施設について
当学校には競技場、訓練室、図書館など数多くの施設が存在します。いくつかの施設には施設使用条件がありますが、基本的にはすべての在校性が使用可能です。利用予約が必要な施設は学生課にて行ってください。(詳細は別途)
7 寮について
本学生は基本的には全員寮住まいとします。外泊等が必要になった時は、寮母の先生に届け出ること。また、やむを得ず外泊が必要になった場合は、帰還後直ぐに、寮母に事後外泊届を提出すること。
8 退学について
下記のものは退学とする。
・期末試追試試験の不合格者、進級に必要なスキルの不足者
・犯罪を犯したもの
・怪我、病気等により冒険者としての活動が困難と判断されたもの
・在学中に死亡したもの
・上記以外の理由で冒険者として不適合と判断されたもの(詳細は別途)
店員が言うように、新入生のしおりには確かに冒険者ギルドのことや依頼受けれることが書かれていた。これがバイトなのだろう。それに補講でスキルが修得できるみたいだ。店員も補講を受けるのは向上心のあるやつ、とか言っていた気がする。どうやらあの店員は嘘は言ってないようだ。
少し安心した俺は、眠りにつく。明日は早い。




