表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

分からなくなる

作者: akumunotumugite

ベッドに横になりスマホを弄りながらふと時計に目をやると、時刻は夜中の12時を回ったところ。


今も時計の秒針はリズム良く周り続け、時間は進み続けている。不思議と、時間に追われる感覚はない。


いつもなら早く寝なければと焦燥に駆られるが、今日はそんなこともなかった。何故だろうか。




夜は、人を孤独にする。そして、一人で考える時間を与えてくれるものだ。




思えば、毎日僕たちは何かに追われている。次のスケジュールは、課題は、知り合いとのアポ、バイトなどなど。挙げればキリがないだろう。




ここで忘れがちなのは、僕たちの持ちうる”時間”には限りがあるということだ。人の時間が無限にあり、永遠に生きられるということはないのだ。それこそ、活力や元気のある状態なんて30代がせいぜいだろう。物事に集中して取り組むことも大切だが、気づかぬうちに時間を浪費してしまっていることも多いような気がする。




”自分は何がしたいのか?”




社会のシステムに言われるがまま何も疑うことなく生きていると、最終的にはサラリーマンとしてだらだら働いて、気づけば退職。老後は急にできた時間をもてあましながらも、貯金残高を眺めながら質素倹約に生きる毎日。たぶん無理に結婚もしない。そういう時代だから。


うん、すべて見える。その事実を言い訳にして親に寄生してパラサイトニートとして生きる未来までも。




”時間”が、僕たちを不安にする。




”今日お前、何したんだい?”ってね




大学生だからまだ時間あるよね。ゆっくり考えていこうよ。




うーん。




大学生のうちに何かしなくてはと思いたってみても、きっと何も成し遂げられないんじゃないか。




じゃあ起業でもしてみようか。




経営不振で倒産。




じゃあ株でもやってみますか。




自己破産。




それならまじめに大企業で働いて何か良い副業でも探そう。それも長続きしない。




きっと、きっと、きっと、きっと・・・。不思議と、悪い未来ばかり見えてくる。




でも、死ぬわけじゃないじゃん?


だから、続けることもできるはずだよね?


問題ないじゃん!?




それでも、リスクや苦労を伴うのに無駄だと思うことなんて人はできない。


物事を始めるのは興味さえあればできるけど、努力やそれを支える熱意や喜びが必要なんだと思う。




だからもう一回自分に聞いてみよう。




”自分は何がしたいのか?”




”自分はどんな人生を生きたいのか?”




閉じていた目を開ける。


答えはまだない。そのことが不安だ。


それでも、いつかほんの少しでも面白いと思えるものがあったのなら。


他の誰にでもできるものじゃなくて、僕にとって唯一無二な何かを、僕は掴み取りたい。


そう、勝ち取りたいんだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 拝読いたしました。限りある時間だからこそ有意義に生きたいですよね。 最後の一文、力強さと決意を感じました。
2018/06/26 06:46 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ