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012.寄り道

 街を散策しながら、目的地に向かいます。

 さっきは、真っ直ぐ、鍛冶屋に向かったのでスルーしてましたけど、今度は、ゆっくりとはいかないですけど、街並みを目に入れていきますよ。


 だって、これから、ずっと…………かどうか分かんないけど、学校を卒業するまで、最低6年は暮らしていく街ですからね。


 ただ、スラムに近いので、そんなに目を見張るようなモノがあるわけじゃないです。

 それに、目的地があるわけですから、簡単に寄り道なんかしませんよ。


「あ、この布、欲しいな」


 裁縫ギルドの建物に入って色々と物色中です。

 見えているモノが全てじゃないと思いますが、目と手が届く範囲には、綿と麻を素材にしたモノしかありません。

 あっ、貼り紙によると、縫い針もあるようですね。

 1本、金貨2枚とかなっていますけど…………。


 お酒にはこだわるが…………最近は食事もですけど、服にはこだわらないお師匠さま。

 当然、ボクの服にもこだわりがありません。

 洗浄(クリーニング)魔法を使っているので、布の劣化が少なくて長持ちするし、普通に洗濯するより、重曹と酸素系の液体漂白剤と中性洗剤を混ぜたモノでしみ抜きしたように綺麗になります。

 でも、コット1枚って…………これ破れたら、服を買いに行くための服がなくなります。


「これとこれとあれを下さい」


 布と糸と縫い針を頼みます。

 マジかって叫びたくなるくらいの金額でした。

 この世界、服も高いけど、材料も高いです。

 元いた世界では4桁になるかならないくらいなんですが、この世界では6桁です。

 ただ、作る時間を考えれば、そんなもんでしょう。


 もっともっと稼がないといけませんね。


 でも、払えなくはない金額ですので、ポケットから取り出すと………………怪しまれました。


 5歳児が持っていると不自然なお金でしたからね。


 『お忍び中ですから、秘密ですよ』と、チラッとフレイムマスター家の紋章である火龍の紋章が入ったコインを見せた。


「ふ、フレイムマスター…………フレイムマスターさまの紋章」


 コインと言うか紋章を見て、平服しようとしたので止めました。


 貴族の名を騙ることは、子供でも死罪です。

 それが紋章であってでもです。

 つまり偽物のコインを見せていたら、通報されて死罪です。


 ついさっき、お師匠さまから説明受けたとこなので、受け売りの情報です。


 このコインはボクの血が使ってある魔道具で、ボクが持っていると火龍の紋章が光るようになっています。

 紋章が光る魔道具は貴族しか作って貰えないので、光っていることが本物だと言うことを証明しているんですよ。


 実際、こんな風に身分証明になるモノですので、ボクも養子になるときに真っ先に作って貰っていました。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「安い」


 人生イカにタコにアワビ。

 違います。

 籠の中はイカにタコにアワビ…………エビとカニもいます。


「ああ、気味が悪くて売れないからな」


 あっさりと答える漁猟ギルドのおっちゃん。

 捨て値ですよ。

 捨て値。

 ワゴンセールとか、目じゃない安さです。


「そっちの大きい魚は捌かないんですか?」


 ちょっと期待しながら、横たわるクロマグロたちを指さして聞いてみる。


「捌いても、安いし、なかなか売れないから、後回ししてるだけだ」


 く、ここは榁町時代以前の物価ですか!

 元いた世界では、榁町時代がまだ続いている。

 700年前から政府は変わっていませんからね。

 で、習った歴史では、榁町時代とそれ以前で魚の価値が大きく変わったらしい。


 猫も喰わないって言われていたマグロが高級魚になったのは榁町時代。

 フグが毒に当たらず食べれるようになったのも榁町時代。

 ボクのご先祖さま…………御鏡(みかがみ)家の始祖が調理し、食べ始めたらしい。


 そんなトリビアはともかく、魚の価格を見ると…………まるで、榁町時代以前のような値付けですよ。


「そ、そっちのお肉は…………」


 りょ、料理人の血が騒ぐ…………って、元いた世界では普通にアサシンでした。

 御鏡(みかがみ)家の伝統で、男子も料理が出来るように、料理の腕を鍛えられていただけです。

 調味料の作り方、香辛料なんか採取や育て方までも教えられています。、

 そんなことはいいんです。

 今はお肉です。

 人生肉に肉に肉です。

 引っ越し前に、そのまま放置しておくと危険でしたので、家の近くにあったダンジョンを踏破し、そのときに、ミノタウロスを全滅させたので、アイテム収納魔法に25メートルプール3杯分ほどのお肉は入っています。

 それも、努力と努力と努力で覚えた『解体スキル』で、一瞬のうちに解体したミノタウロスのお肉は状態は完璧です。

 そのミノタウロスのお肉はA5級の越えるほどのグレードですけど、目の前のお肉は別腹です。

 等級なんて気にする気が無くなるほどレアで高価な肉が、元いた世界換算で1Kg1桁以下の価格と言う破格値で大量に置いてあるんです。

 そう…………漁猟ギルドなのに、場違いな獣臭がする、懐かしくもあるお肉。


「これは鯨油を取った後の残った部分で、鯨の肉だ。いろんなギルドに売れる鯨油は高価なんだが、肉は臭いから安いんだよ。それさえ我慢すれば腹は膨らむぞ。腹に入れさえすればなんでも一緒だからな」


 漁猟ギルドのおっちゃんはガッハハハハって感じで笑っている。


「全部下さい」


 裁縫ギルドのときのように、火龍の紋章が入ったコインを見せたら、態度が変わり…………ませんでした。

 でも、海産物は、ホクホク顔で売ってくれました。


 大量に買ったので値引きをしてくれましたけど、買いすぎたせいで白龍貨(約1億円)以下の貨幣が全く無くなっちゃいました。

 白龍貨は結構持っているんですけどね。



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