第3話 執事ご用達アイテムは?
「お嬢様、いただいた布巾すごいですよ」
ガチャで出てきた布巾で銀食器を拭いてみたら、ひとこすりでピカピカになったらしい。
元々、銀食器を磨くのが趣味みたいなエックハルトだから、すごく喜んでいる。
ガチャ樹の外れアイテム、あなどり難し。
あと、もうひとつ分かったことがある。
唯一、使い方が分からなかった《ガチャの像:☆☆》。
これもなかなかの物だった。
元々、ガチャ師には、ガチャ渡りという能力がある。
ガチャがある場所に瞬間移動する能力だ。
だけど、ガチャがない所には瞬間移動ができない。
山の上のガチャを設置した岩には、一瞬で移動できるが、そこから屋敷に帰ってくるのは歩かないといけない。
そう思っていたのだが、ガチャの像があれば、その不便さを解消できる。
ガチャの像は、瞬間移動においてガチャと同じ物になる。
ガチャの像を屋敷に設置しておけば、山の上から屋敷まで瞬間移動ができてしまう。
簡単にガチャをやりにいけるのがいい。
「さて。今日は誰とガチャに行こうかな」
エックハルトは、今日もいくつもりで準備している。
もうひとり一緒に連れていける。
どっちの女官にしようかな。
今、別荘には令嬢の私と、お付きの者が3人で住んでいる。
執事のエックハルト。
20歳のメイドさんで、クララ。
13歳のメイド見習いノーラ。
まだクララさんは、ガチャのこと知らない。
ノーラはエックハルトに聞いて、やりたがっている。
今日は、私とエックハルトとノーラの三人ね。
瞬間移動は手をつなぐことで三人までできるし。
「ノーラ、今日はあなたも一緒にガチャやりに行くわよ」
「やったぁ。楽しみ」
まずは、庭に出て、ふたりの手をつなぐ。
山の上の岩をイメージして、瞬間移動の呪文を唱える。
「今ここに、ガチャ樹への移動を命じる。天空に座します大いなる主よ。我に力を貸し給え」
あっと言う間に山の上に着いてしまう。
「えっ、もう着いたの?」
「うん。ノーラ、すごいでしょ」
「すごーい」
エックハルトさんはというと。
目を大きく開けて、固まっている。
相変わらずだなぁ。




