第2話 執事は令嬢と一緒にガチャする
「エックも一回やってみる?」
エックハルトは固まったまま、反応しない。
「エックったら、しっかりして」
「あ、お嬢様、すみませんでした」
「いいのよ。ほら、エックもやってみなさいよ」
「えーと」
何が起きているのか、エックハルトの頭では理解できていなかった。
だけど、お嬢様の命令は絶対だ。
「ほら、たまご3つ」
「これは?」
「さっき、やったの見たでしょ。ここに置くのよ」
「はい。ここに卵をのせて。レバーを引く」
「そうそう分かっているじゃない」
エックハルトは何が起きているのかは理解していなかったけど、
お嬢様が何を望んでいるのかは理解していた。
頭はフリーズしたまま、行動だけ真似をしていた。
「はい、レバーを引いてみて」
ガチャ樹がぴかっと光って、ころころころとカプセルが出てくる。
「はい、これ。開けてみて」
「えーと、これですね」
《テーブル布巾:-》
「なんだ、普通の布巾ね。レアじゃないから、外れね」
「外れなんですか」
「そうよ」
「外れですね」
「いい?私が見本を見せてあげるわ。いくわよ」
卵を並べて、レバーを引く。
びかっ。ころころころ。
「これは何かしらね」
《テーブル布巾:-》
「お嬢様、それは外れですね」
「うるさいわね。誰でも一回くらい失敗することもあるのよ。もう一回いくわよ」
卵を並べて、レバーを引く。
びかっ。ころころころ。
《テーブル布巾:-》
「また、外れですね」
「もう、うるさいわね。次はあなたやりなさい」
「やりましょう」
卵を並べて、レバーを引く。
びかっ。ころころころ。
《ガチャの像:☆☆》
「なに、これ?」
「なんでしょう?」
「なんだか分からないけど、レア2だから、当たりね」
「やりました」
「でも、私のルビーの杖にはおよばないわね」
「お嬢様、さすがです」
ちょっといい気持ちだけど、今日の分のガチャはもう終わり。
残念ながら回数制限があるみたい。
あきらめて、ふたりで山を下りた。




