第八話:適正可能職業
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やっほー!みんな!樒だよ!今私はですねぇ......なんと!明らかにヤバイやつらに捕まって、檻の中にいまーす!助けて!と言うか本当に何者なの?気絶させられてここに連れられてきたのは辛うじてわかるけど、あの子達は見当たらないし......まさか、殺されたの?
そんなことを悶々と考えていると、ペストマスクのような仮面を着けたのが、目の前に一人現れた。
「あの二人なら無事だ。それぞれの適正職業を生かせる別の場所にいる。」
先読みされ、あっさりと答えをばらした。ってことは、用があるのは私だけ。
「私に何か用なの?」
「あぁ。ネクロマンサーははっきり言って俺たちも嫌な適正職業でね、ネクロマンサーとしていくなら本当の魔族領にお前を捨てる。嫌なら、奴隷になれ」
「ど、奴隷......?でも適正職業じゃ無いでしょ」
「なるほど、適正可能職業を知らないんだな、お前」
「適正可能職業......?」
適正可能職業と言うのは、つまり第二の選択肢。剣士を極めていくと武士と言う適正可能職業が現れ、引き返すことはできないが選べば圧倒的な強さや、技に磨きがかかる。ようはグレードアップである。で、これに例外なのが「奴隷」。これはどんなタイミングでも適正可能職業になっていて選択すれば即座に奴隷化してしまう。だが、再び適正可能職業を選択できるようになる。それも、すべての。しかし、甘い話ではない。そうして再び新たな適正職業を手に入れた人は名前の前に「奴隷落ち」がつく。あまりいい目では見られなくなってしまうのだ。もちろん、それを覚悟で自分の選びたい職業に就く人だっている。その先が幸せかは知らないけどね。
「それで、私になんのメリットがあるの?」
「魔族に怯えずに暮らせて、適正職業を手に入れ直せる。」
「一日だけ、考えさせてよ。」
「構わん。奴隷のまま死にたくも無いだろうしな。」
さらっと怖いことを言われた気がするけど、無視して檻の中から奴隷の様子を観察。扱き使われてはいるが、最低限の衣食住は守ってもらえるようだ。でも、選択肢を誤れば容赦なく殴る蹴るを受けることになる。
追放か、あるいは奴隷落ちか魔族がすぐ近くで息をする場所に捨てられるか、ご主人の顔色をうかがって生きるか。
二つに一つ、逃走すれば確実な死が待っている。だって話しかけてきたやつ私の近くから一歩も動かないし。
なら、私が選ぶのは一つ。次の日になり、男が問いかけてくる。
「決まったか?答えろ」
「......私は......」