第四話:国外追放のお知らせ
ネクロマンサーって、あれだよね。ほぼ例外なく死者を操って襲わせて、大体どのお話でもタブーな悪役だよね。それでもって悪役の四天王だったりするやつだったり。
......あれ?これあかんやつじゃない?なんか王様と家臣的な人がひそひそ相談し始めてるし!え、私の異世界人生終了のお知らせ?異世界に来て多分3時間で私おしまい?
「シキミ様、非常に申し訳ない。あなたの適正職業であるネクロマンサーはこの国にでは禁忌でございまして。」
アァ、オワッタ......!私処刑されるの?それとも奴隷?それとも......
「国外追放とさせていただきます。」
国外追放ってそれもう二度とこの国に入国できないやつじゃん。ってか、それならどこに連れていかれんの私。
「国外追放の者は例外なく魔族領へと追放となります。異世界から来てもらっておいてこのような仕打ちと思われますが、申し訳ない。」
魔族領へと追放となります......なります......脳みそで永遠エコーで繰り返しながら、私はその場で気絶した。
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ゴトゴトと、馬車か何かで運ばれる音がして私はやっと目が覚めた。どうやら、絶賛国外追放のために魔族領へと運ばれているらしい。私の隣にはゴツいオッサン、やせっぽちの少年。目の前にはずっと何か呟いている女、そのとなりにぐすぐすと泣いている幼い少女。とりあえず、この四人を鑑定してみよう。
まずはオッサン
【マール】【適正職業:大工】
・リィン王国の大工だったが、人柱と称し今まで5人を殺害。国外追放の刑に処された。
素でやべぇやつだこいつ。
やせっぽちの少年はどうだ?
【ユグル】【適正職業:盗賊】
・リィン王国の民だったが、適正職業が盗賊の為国外追放。
は?その程度で追放かよ、この世界意外と鬼畜だなさては。じゃ、こっちの明らかにヤバそうな女の人は......
【エイリーン】【適正職業:神官】
・リィン王国にある女神神殿の神官だった。しかし、信仰が妄信的になった上狂気にとりつかれたため国外追放。
うーん、妥当!必然!だって目が逝ってるもんね、この人。最後はこの泣きっぱなしの女の子だけど、なんで国外追放になってるんだろう......
【ナスタチウム】【適正職業:殺人鬼】
・リィン王国の民だったが、適正職業が殺人鬼のため、国外追放。
......なんやこの爆弾少女。ってか、それは適正職業と言っていいのか?それにしても気の毒すぎない?見た目的にまだ5歳やで?
ガタン!
(おそらく)馬車が止まった音がした。兵士が降りろという声もする。これできっと、私の物語はおしまい。勇者たちががんばって魔王を倒してくれるだろう。さよなら異世界!また来て来世!せめて楽に殺ってくれる魔物探そうそうしよう......