第三十五話:ストレス発散
薪の火も消えた真夜中に盗賊たちは行動を起こした。
初心者が起きてるはずもないと確信してるらしく、ろくに確認もせずに持ち上げられる。
こいつら、ちょろい。
ユグルくんやアルニカちゃんもそう感じただろう。
盗賊たちは宝と私たちを担いでそんなに遠くない洞窟へと運んで行く。
道中私かアルニカちゃんどっちが好みか話し合っていて、私だと答えたやつが少ないのは気にしてないよ。ユグルくんは仲間の女に渡すとか言ってたなぁ......。
って言うか、この依頼を本物の初心者が受けてたら相当やばかったんじゃない?捕まった子達はかわいそうなことになるって訳だし......。
担いでる盗賊はどんどん洞窟の下へと降りて行く、そして適当な牢屋にぶちこまれる。三人一緒に。痛かった。覚えてろ。
盗賊が出ていったと同時に起き上がる。
まわりには私達以外誰もいないみたいだ。即座にサイレンスボイスを使ってみんなと作戦会議をする。
「どうする?どうせならいい思いをできると思った直後に正体を現してみない?」
「さすが主、面白そうですね。」
「杖や武器は奪っておいたし平気だと思ってるみたいだからな。」
「ってことで早速悲鳴をあげて助けを求めるふりをして、そんで多分ユグルくんは女だらけを相手にするだろうけど、がんばってね。」
「おう。」
サイレンスボイスを切ったら即座に騒ぐ。まるで初心者が突然訳のわからない場所につれられて怯えるように。
盗賊の男はどや顔で自分達の宝であることを自慢し、ついでにこのあと私たちをどうするかも教えてくれた。やっぱり性奴隷的な目的だったようだ。見え透いてるなぁ。初心者狩りして何が楽しいのやら......。
「じゃあ、女、ついてこい。男はこいつにな。」
嘘泣きをしながら抵抗してみたら殴られた。今すぐ殺ってやりたいが我慢する。アルニカちゃんはそれを見ておとなしく従う、ユグルくんは憤りを見せる。名演技だなぁ。
感心しながら嘘泣きを続けつつ、私とアルニカちゃんは盗賊Aに、ユグルくんはBについていった。
名前がわかんないから、アルファベットつけて呼んでも仕方ないよね!
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私達が連れていかれた部屋は男どもの下卑た臭いでむせかえっていた。吐き気を催すような賤しい笑みで己の欲をぶちまける女である私たちを品定めする。控えめに言って気持ち悪い。でも私も思わず笑みを浮かべそうになる。こいつらの絶望する顔が見れると思うとぞくぞくしてきた。あれ?私人の感性なくね?まぁいいか。
男の一人が手をかけると同時に自らマントを剥ぐ。一瞬諦めたため自分から脱いだと思って歓声をあげかけた男からためらいの声が聞こえた。
そりゃそうだろう。私の胸から奪った杖とは全く違う禍々しい杖が顔を覗かせているのだから。
「アルニカ、いくよ。」
「承知しました。」
アルニカちゃんは髪止めを外す。それは隠し刀になる優れもの。私達は初心者じゃないからね。それくらいの心得はあるのだよ。
「な、てめぇら初心者じゃなかったのか!」
「バァーカ、安い罠に引っ掛かる三流盗賊めが」
「んだと......!」
激昂した男が組伏せに来るが、エアロショットで頭を撃ち抜いてやる。エアロショットは文字どおり空気を弾丸のように撃つ魔法だ。
「ひっ......」
「よぉーし、アルニカ、どっちが多く殺せるか楽しもうじゃん!」
「勝ったら何かひとつ言うことを聞くと言うことで!」
「のった!」
こうして私とアルニカちゃんの殺戮パーティーが始まった。男どもの命がすべてなくなるまで五分もかからなかった。ストレスは解消できてすごい幸せでした。
ユグルくんはどうしてるかなぁ?
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どうも、ユグルです。今女の人たちに品定めされてます。坊や扱いされて腹立っているけどがまんします。キスをされてから本番です。まずはその女の舌を噛み千切ってあげます。そしたら次の女は首を折ります。優しく確実に、痛みの無いように。そのあと魔法を使います。僕は【夜を駆る梟】のころ、心臓部に宝石を埋め込んでもらってあるので、魔法は正確に撃てますし、魔力消費も正常です。秘術らしいので僕は知りませんが......。
おっと、女の唇が迫ってきました。では、僕は僕で楽しみたいと思います。それでは。
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こうして、三流盗賊は私達に虐殺され、お宝は全部私達のものになりましたとさ。




