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第二十六話:魔王誕生

はぁ......グラズさんって、あんなに明るいのに主人公みたいにすごい波乱に満ちた人生歩んでたんだな......いや、むしろあんな人生......いや、魔生?を生きてきたからあんな性格なのかもしれないなぁ。あーあ、幹部クラスはリリムさんとエルルーシュさんと私だけになっちゃった。賑やかじゃなくなるのはとても寂しい。いや、今でもガールズトークで盛り上がることもあるけど、最近はもっぱら戦争話ばかり。私の世界のおしゃれ事情も私が話せるところまで話しまくったからもうないし、仕方ないか。

あ、そうだ、グラズさんの恩恵見とかなきゃ。鑑定!


【シキミ】【適正職業:死霊魔術の長】

・人間以上魔族未満の異世界から来た女

【恩恵:ダヴィルの心臓と血液】

・炎魔法強化

・威圧

・炎魔法無効

・水魔法倍加

【恩恵:グラズの石眼】

・石化の邪眼

・治癒の邪眼

・幻覚の邪眼

・石化無効


......ふむ、つまり私はバジリスクみたいに人や物を石にできるし、逆に傷を癒したり出来るのか。だんだん人間離れしてないか私。大丈夫なの?......ま、まあいいでしょ!それくらいできる人間はきっといるから!勇者級なら可能性あるから!HAHAHA!なーんてお気楽に構えていたらアルニカちゃんが私の背後に現れた。気配は感じれるので別にビビりはしない。


「主、至急魔王様の元へ向かうようにとのことです」

「?わかった。」


何だろう、今さら卵がダメになったとかないよね?となると産まれた・・・ってところか。お祝いはいらないのかな?一応適当にアンデットを献上する予定で選びつつ、私は魔王様の元へ向かった。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


魔王城には、産まれた子をみようとする魔族達でごった返していた。でも、私が来ると皆一斉に道を開ける。幹部特権すごい。それを珍しげに見ないで堂々と前を向いて歩く。ちゃんとしないとね!


「シキミちゃーん」

「あ、リリムさん。」

「一緒に見に行きましょう?」

「そうですね。」


リリムさんと仲良く戦況報告をしたあと、メイドに用件を伝え、少し待たされる。エルルーシュさんは来るのが厳しいのか、姿が見えない。


「大丈夫かな、エルルーシュさん」

「あら、エルが来ないのは人がいっぱいなのが嫌だからよ」

「え、そうなの?」

「エルはほら、下半身が蛇でしょ?昔踏まれたことがあって、それ以来人混み嫌いになっちゃった。」

「あー......なるほど。」


確かに長いもんなぁ、エルルーシュさんの尻尾。もちろん感覚はあるんだから踏まれたら痛いもんな......それに、私みたいなのやリリムさんが踏んでもそんなに痛みはないけど、ケンタウロスとか、そういう魔族に踏まれたら......うおっ、寒気が......ってことならエルルーシュさんは後で見に来るのかな。


「そういえば、卵から産まれるって言っても5歳くらいになって産まれるんだっけ?」

「そうよ。一般的な知識はすでに覚えてる状態でね」

「魔王様すごい」

「私たちサキュバスは眷族を昇格したり、産み出したりして増やしてるからそんなに思わないけど、人間の赤ちゃんは確かに何も無いものね」

「そうですね。」


などと駄弁っているとメイドに順番がやって来たことを伝えられ、魔王様とその子供に謁見することにした。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


いやぁ、溢れるカリスマってまさにあれのことを言うんだなぁ。魔王様、可愛らしい顔なのにキリッとしてて謁見した私たちに一言一句間違えずに感謝の言葉をのべたりしてさぁ......すごい。ダヴィルさんのお城に戻って次の攻める場所の偵察をするための人員を用意する。

そして心の隅で考えたらダメだけど、つい考えてしまうことを考える。

次は誰が、死ぬのかな......とか、ね。

頭を振ってその考えを振り払ってもう一度人員の確認に集中する。魔王様の卵の存在がばれてからはや2年......膠着状態が続いている。もし、それが破れるとなるとそれは勇者が死ぬかこちらの幹部がほぼいなくなるかだ。こちらとしては勇者の死亡がいいなぁ。一緒に来たのにとか思われるかもだけど、私からすればずっといるのは魔族たちだからなぁ。あまり悲しみを覚えないんだよね。ふふ、我ながら冷たいな。と自虐的になってみる。


負の連鎖、泣きっ面に蜂。嫌なものと事柄ほど連続して続き、終わりが見えない。私の首にもロープが垂れ下がってる幻覚が見えてきた。

エルルーシュさん、あなたも行ってしまうんですか?


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


私が来た時点でエルルーシュさんは棺に納められていた。原因は勇者の仲間の光魔法攻撃。そのせいだからか、外傷はほとんど無い。そして遺言。


「シキミちゃんの杖に私の血を吸わせること」


......きれいな体に傷をつけるのはちょっとなぁ。でもやるしかないか。

私は杖をエルルーシュさんの心臓に刺す。といっても、まるで沈んでるように感じる。すると、杖が血を吸っているのか怪しく煌めく。記憶は見えなかった。多分、私じゃなくて杖だったからだと思う。こうしてまた一人、いなくなってしまった。膠着状態が崩れて、人間側が有利になる。かなりまずいなぁ。勝てるかなぁ......。

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