第二十五話:新たな仲間とさらなる犠牲
やぁシキミだよー。今日も今日とて取り合いだよ。なかなかしぶといね人間って!あ、そういえばダヴィルさんの力を手に入れたけど何があったのかはまだ調べてなかったな。強くなって育った鑑定を使って自分を鑑定してステータスチェック!
【シキミ】【適正職業:死霊魔術の長】
・人間以上魔族未満の異世界から来た女
【恩恵:ダヴィルの心臓と血液】
・炎魔法強化
・威圧
・炎魔法無効
・水魔法倍加
ふむふむ、確かにダヴィルさん炎魔法得意だったなぁ。で、水魔法倍加は多分ダメージ2倍的なやつでしょ。で、威圧って何?これも鑑定してみよう。
【威圧】
・相手にプレッシャーをかける。相手の強さに依存するが一般市民程度なら気絶および強制服従を可能とする。
ヒェッ、なんだこのスキル......つまり、私より弱かったら体が動かせないってなるやつか。それで、跪けって命令したら跪かせることができるってことか......。ダヴィルさん一回も使ったことないんだろうな、人間に興味なかったし。配下は自分でついてくるからなぁ。まぁ、いつかは使うでしょういつかは。さて、今日はどこを攻めようかなぁ......海沿いでもいいなぁ、山でもいいなぁ。ピクニック気分で攻めれるのは悪くないけど......はぁ、幹部って大変だなぁ。
そんな風にぼんやり考えながら玉座に座っているとアルニカちゃんが目の前に現れた。
「主、来客が来ています」
「んぇ?来客?誰?」
「【夜を駆る梟】のユグルと名乗っていますが......」
「おお!ユグルくんか!いいよいいよ!」
ユグルくんが自らここに来たってことは......実力がついたから仲間になりに来たってことか!新たな仲間が増えるのかぁうれしいなぁ。ユグルくんはどんな感じになってるんだろう。
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「お久しぶりです、シキミさん。」
「......え?ゆ、ユグルくん......?」
「?ええ、そうですけど......」
なんだこのイケメンは。引き締まったゴリすぎず、かといってひょろすぎないインナーマッスル。それに見あったイケメンフェイス、細すぎないほどよい身長......成長したなぁ!カッコいいよぉ!
「......すごく、かっこいいよ」
「あ、ありがとうございます......」
言われたことがなかったようで、ほほを赤らめながらユグルくんは照れている。うっかわいい。そこは少年の心のままかよぉ。うっ鼻血が出そう......。
「それで、ここに来たってことは......」
「はい!俺も強くなったし、仲間になりに来たんです」
「ありがとう、仲間になってくれるのはうれしいよ。早速これを飲んでほしい。」
そう言って私がアルニカちゃんに持ってきてもらったのは【魔人の神酒】。幹部なら一人ぶんは持つことを許されてるからね。さっそく飲んでもらうことにした。意識を失い倒れたユグルくんの肉体は、それほど変化は見られなかったけど、身長がまた伸びたな。マッスル度とイケメン度もアップ......やだ、かっこいい......。教養は大丈夫そうだしいいか......。
そんな風に考えてると急な来客がやって来た。その訃報を聞いたとき、あぁ、不幸って連続するもんなんだなぁと心のどこかで感じた。それと同時に、早くすべてを終わらせたいとも思った。私は二人をつれて石ノ塔へ向かった。
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バジリスク種は死ぬとき、目以外は石になって砕け散る。目はきれいな宝石のようになるから昔乱獲されたこともあるらしい。私がついたときにはもう半分くらい石になっていた。
「あ、よぉ、シキミ......へへ、無様な姿見せちまってるや」
「無理しないで、グラズさん。」
「無理も何も、こんなんじゃ俺は死ぬって。なぁシキミ」
「なんです?」
「ダヴィルのように、俺の目を飲み込んでくれ」
「......わかった。」
「あ、あとさ」
「......?」
「あの石像あるじゃん。......玉座裏の。あれを絶対壊されないようにしてほしい。」
「わかった。」
「へへ......ありがとう、な......」
グラズさんの体はもう石だった。足なんかはもう砕け散りはじめていた。目がだんだん石のように硬質化して、宝石のようにきらきらと光り始めている。お別れの時間は近い。それでもグラズさんはずっと穏やかに微笑んでいる。最後は一瞬で石になって、私の目の前で砕け散った。カラン、カランと若草色のようなきれいな蛇の目のような石が転がっている。私はそれを拾い上げ、一息に飲み込む。石だから前のようにはいかないし、一瞬喉に詰まった。それでも飲み込むと、また記憶が見えてきた。グラズさんと、あの石像のおじいさんとのお話が。




