第二話:自己紹介って大事だよね
「ちょ、ちょっとまてよ!」
そう言って声をあげたのは近くにいた男の子
「俺たち応じた訳じゃないぞ、いきなりここに飛ばされたんだぞ?」
うん、確かにそうだ。他のみんなもうなずいている。というか、超絶美女が二人いるんだけど何あれ?
それに対してダリル王は困惑していた。そりゃそうか、恐らくこの召喚方法は同意した人間を呼べるもののはずだもんね?
「でもまあ、いいじゃねえかよ勇気、俺ら異世界召喚されたんだぜ?」
もう一人の男の子と先に声をあげたのと同級生っぽいのがユウキくんに話しかける。
「で、でも赤銅先輩......」
「それに、助けてほしいって言うんだし助けてやろうぜ!」
ほう、このアカガネくんはユウキくんの先輩な訳ね。そして察しもいいみたいだな。
「う、うむすまない。とりあえずここではなんだし、暖かい部屋と食事を用意しよう」
王様の一言で従者らしき人がこちらでございます、と案内してくれた。みんな適当に座るのはいいけど、大半が初対面でクッソ気まずい。さぁてどうしたもんか。自己紹介したいけど言い出すのやだからなぁー。
「あ、あの俺は飛田勇気って言います。高校生で、部活の帰りに召喚......でいいのかな?されました。」
おそるおそる、さっき王様に質問していたユウキくんが自己紹介をした。名前の通り勇気あるなぁ、何て思ってたらアカガネくんも自己紹介。同じく帰宅途中で召喚されたようだ。これをきっかけに次々と自己紹介を始める。
「あの、私は柊冬華っていいます!中学三年生です。家で本を読んでいて、眠くなって寝ようとしたらここに来ました」
寝ようとして気づいたらここか、嫌な転移だなぁ。
って、そんなこと考えてたら私が最後の一人になっちゃったよ。みんなこっちガン見しないで。恥ずかしい。
「えっと......東雲樒といいます。高校三年生で、帰宅途中で召喚されました。」
みんなの自己紹介が終わったところで、食事ができたことを伝えるための従者がやって来た。ふぅ、余計な話しはしないですみそうだ。
そういえば、美女さん二人は英語で話してるはずなのに日本語に聞こえてたな。『マルチリンガル』すげぇ。
自己紹介コーナー
飛田 勇気:高校一年生。赤銅と同じサッカー部で赤銅の後輩。帰宅途中で召喚される。
赤銅 海翔:高校二年生。サッカー部部長。飛田の先輩。同じく帰宅途中で召喚。
柊 冬華:最年少の中学三年生。読書中に眠くなりうとうとしていたらいつのまにか召喚。
ヴァス・ハウラス:最年長23歳。名前が男っぽいが女性。本屋で選書途中、気づけば召喚。
エルド・A・ライラック:22歳。乗馬中に落馬しかけたときに召喚。