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プロローグ
よくあるファンタジーで、死霊魔術を使うようなやつは必ずと言っていいほどその術を自分に使う。
正直、そんなことする意味なんか無いと思っていた。
だって、結局は主人公に聖なる力とか、そんなものでボコボコにされて終わるからだ。
......だけど、今ならわかる。
むしろ、その状況で使わない方がバカだと思うぐらいに。
あいつらの焦る声が聞こえる。起きあがる「私」への対処をどうするかを必死に相談する声が。ぼろぼろだった肉体が、魔法によって繋ぎ止められ、縫いあわさる感覚がする。
私の名前は「東雲 樒」。異世界に飛ばされた元、高校生。
今の名前は【死霊魔術の女帝】シキミ
練習がてらよくあるといってはなんですが、異世界ものを書いていきたいと思います。