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夕食屋  作者: プリン
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逃げたい

「アレクからの最新情報だ」とロバートが手紙を見せる。


・王太子が王都に戻りヒロインとの婚約解消を宣言した。

・隣国の皇帝が、ヒロインを連れて隣国に戻った。

・美貌の皇帝と可憐な乙女の純愛が実った事を、王都の人は喜んでいる。


はた迷惑なヒロインは隣国の皇帝に連れて帰ってもらう…というリザの計画は達成。

「王太子もオリビアさんもこれから大変でしょうね」とクリスが呟く。

1年に2度の婚約解消、かなりのスキャンダルだ。

オリビアさんも、ヒロインから王子を奪った事がすでに噂になっており、悪役扱い。

これは見た目もあるんだろう。

ヒロインの見た目は初心で可憐なアイドル系、ふわふわドレスの似合う絵にかいたようなお姫様だった。

それに対しオリビアさんは…地味系な見た目。

世の中、そういう所は残酷だ。


「こんばんは、今夜の夕食は?」と宿屋街で働く人たちがやってきた。

今夜はアサリのワイン蒸しとタラのから揚げ、タルタルソース添えでございます。

夕食屋、営業を始めました。


「今日も美味い」と笑顔でから揚げを食べるウォルフさん。

「ところで本気?従業員を雇いたいって」とルークさんが言う。

「はい。私が王都に戻る前に仕込まなきゃいけないので早急に」と返事をする。

「何人?」

「2人です。昼間の持ち帰りメニューを担当する人と夕方のご飯担当の人」

「なるほど。あては無いわけではないよ」

近いうちに紹介できるだろうと言ってルークさんが帰っていった。


「イザベルは、王都に帰るつもり?」

「はい。王都が落ち着いたら必ず帰るって決めていましたから。」

ウォルフさんの目が細くなる。

「この店のコロッケとポテトサラダはしっかり伝授して帰ります。心配しないでくださいね」

「俺も王都に帰る」

ああ、もう誤魔化せない…

「女を追いかける時間があったら仕事をしてくださいよ」

ウォルフさんから笑顔が消えた、真面目な顔になる。

「仕事はしているよ。店や取引先とまめに連絡を取っているし、情報から必要な物を判断して次の船での仕入れ手続きもやってるし。」

そこまで言うと、ウォルフさんは軽く息を継いで続けた。

「俺は商人だ。商人は目の前の大事な商品をほかの商人に奪わせない生き物だって判ってる?」

「商品がまだその気じゃなかったら?」

「その気になるのを待つ。その気にさせる。他の奴に奪われない様に大事に守る。囲い込む。根まわしをする。」

一気にそこまで言った後に、ウォルフさんはニッコリ笑った。

「俺はしつこいんだ。簡単には諦めない。だから君も覚悟しておいてくれ」


よくわからない感覚で足が震える。

怯えなのか、怖いのか、嬉しいのか。


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