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夕食屋  作者: プリン
22/32

干物工場

ワカメ、テングサ、コンブ、モズク、アジ、タラ、イカ…

干物工場にやってきた。

夕方パンを買いに来る奥様方に見学に行きたいと言ったら、喜んで了承してくれた。

クリスが奥様達に囲まれている。


ここの工場はやっている仕事が細かい。魚を開きで干している。

工場に出資した貴族の要望らしい。高く買い取って貰えるらしい。

買い取り先を確認したら温泉旅館も含まれていた。

夏メニューの研究用にテングサをいくらか分けてもらう。


働く女性の手を見る。荒れている。寒い中水を扱うから。

私も人の事は言えない。

お嬢様暮らしの頃はピカピカに磨き上げられていたけど、今は。

ハンドクリームが欲しいなあ。リップクリームも。いずれは化粧水も。

温泉水で化粧水とか出来ないかなあ。


「背が高くてかっこいいのよねえ」

「人妻になるなんてもったいない。王子様だわ」

「でも、ロバートさんと並んだ姿もお似合いよ。王子と騎士の禁断の恋って感じ」


クリスが奥様達に囲まれている。モテモテだ。

まさかのBL扱い。まあ学園にもそういう目で見ている子いたなあ。

この町に来てからクリスは更に綺麗になった。

ロバートとの関係がうまくいっている事も理由の一つだろう。

思い思われる相手と出会えたら、幸せだ。多分。



お店はお休み。テングサを煮て布に入れて絞り、しぼり汁を取り出す。

人参、ビーツ、カボチャを軟らかく煮て、裏ごしする。

裏ごしした野菜と砂糖とテングサのしぼり汁を合わせて、寒天を作る。

牛乳を入れた牛乳寒天、透明の寒天も作る。

冷やして小さく切って、器に盛る。好みでかけるようシロップも準備する。


夜になると、ロバート、ウォルフさん、ヨハネスさん、リンさんがやってきた。

今夜は、お休みなので簡単に済ませると、彼らには宣言済み。

パン、魚のから揚げ、フライドポテト、魚のアラのスープを出す。

タルタルソースとケチャップも添える。

食後、男性陣にはワインとカリカリに揚げたポテトチップスを提供。


女性陣はこれが本題。作った寒天の試食会だ。

「美味しい。でも冬は寒いわね。夏に食べたい」とクリス。

「懐かしいわ。お野菜を使って良く色もついてる。きれいね」とリンさん。

美味しかったので夏場のカフェメニューに取り入れる事にする。

「甘い物の後には辛い物が食べたくなるわねえ」とリンさんがポテトチップスに手を伸ばす。激しく同意したい。


私達も少しだけ、ワインとポテトチップスで軽く飲み会をする。

遅くなり、ヨハネスさんとリンさんが帰っていった。

ロバートとウォルフさんは話が弾んで、小屋に行って飲むという。

戸締りしてベッドに潜りこむ。今日も一日終わり。おやすみなさい。


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