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夕食屋  作者: プリン
21/32

スカウトされました

籠に切り分けたバケット、コロッケ、カレーパンを詰める。

ウォルフさんに持ってもらいリンさんの農場へ向かう。


「温泉開発が終われば、宿場街の客も住宅街の住人もこの店の前を通って温泉に向かう。ここが新たな拠点になる」ウォルフさんが話す。


通過点か。昼に喫茶でもやってみようか。

夏場ならわらびもちや冷たい物系?

夏場の寒天やトコロテンを喫茶で出すのも素敵だなあ。


リンさんの農場にみんなで集まって昼ごはん。

ロバートがカレーパンとコロッケを美味しそうに交互に食べている。

ヨハネスさんはバケットを主食、カレーパンをおかずに食べている。

リンさんは「懐かしいわ」と言いながら海老コロッケを食べている。


「本当にうまい。持って帰りたい…イザベルさんを連れて帰れば全部作って貰えるのか」とウォルフさん。

悪役令嬢改め、ジャガイモマッシュ職人からの、専属ジャガイモ料理人?

「まさかのジャガイモ料理?…でも悪く無いかも」と呟くとウォルフさんの目が細くなる。

お店の経営なんてやってるけど、前世は社畜だ。雇って貰えるなら楽だ。

ジャガイモ料理人、ひたすらジャガイモマッシュするマッシュ職人…悪くない。

「連れて帰って、いくらで雇ってくれます?」

「基本実費かな、衣食住の保障はする」

「住み込みで衣食住保障、それだけ?お小遣いとか将来に向けての貯蓄は」

「将来って」

「老後の生活保障です」

「そこは一緒に頑張りましょう」

「まさかの終身雇用?」

安定した20世紀後半の日本ならともかく、今の時代に安定した終身雇用を約束するなんてウォルフさん、豪快な人だ。

ウォルフさんはニッコリ笑っている。

バケットにコロッケを挟んで食べていたロバートがあきれ顔で私達をみていた。


昼食後、店に戻る。ウォルフさんは温泉の手伝いで残った。

買い出しの時間にウォルフさんが帰ってきたので、好意に甘えて手伝って貰う。

今夜はタラとジャガイモの白ワイン煮と、コロッケ。


買い出しの後、ウォルフさんは用事があると出かけていった。

夜、ロバート、ヨハネスさん、ウォルフさん、ルークさんで話が進み、次の日から工事に携わる人数が増えた。

港の空いている要員、待機中の船員さんが工事に入るようになったのだ。

これで工事も一気に進む。

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