怪我
いてててて… はぁ…学校いくか。
昨日、美哉に殴られたところが痛くて目が覚めた。
リビングに降りると母さんはもぅいない。
よかった… いたらまた色々言われるし。
自転車を漕ごうとするが体が痛い…
歩いていくか…
教室に着くと相変わらず朝からテンションの高い奏太。
カナタ「おっぱよーーー
って だれにやられたのその傷」
ユウヤ「まぁ ちょっとね!」
カナタ「裕也、弱くはないけど強くもないんだから
喧嘩なんかしたら奏太ちゃん心配して泣いちゃうぞ(笑)」
ユウヤ「キモいからやめろ!!
擦り寄ってくるな!!!
まぁなんもねぇよ
ごめんな 心配かけて」
シン「言うほど心配してない」
ユウヤ「冷てぇな!
ちょっとは心配してよ!(笑)」
言えなかった……
美哉と喧嘩したなんて。
カナタ「今日は文化祭の準備サボって遊びに行こうぜ!」
シン「昨日結局健太ん家行っても
何もしないで帰ったしな…」
カナタ「そぅそぅ…
でもさ、美哉の何だったんだろうな…」
シン「更年期障害?」
ユウヤ「なわけないだろ(笑)」
カナタ「何 高年金障害って??
いっぱいお金貰えんのか?」
ユウヤ「お前はバカか(笑)」
キーンコーンカーンコーン♪
チャイムがなり皆が席に着く。
「朝のホームルームはじめるぞー」
太田っちの声で皆 しずかになる。
ぼんやり窓の外を眺め昨日のこと これからの美哉のこと
紗夜のこと
色々、無意識に考えていた。
「…谷川…… 長谷川… 長谷川裕也!」
太田っちの声で現実に戻される。
ユウヤ「っあ はーいー」
「お前また喧嘩したのか?
相変わらず何やってんだ。
後で職員室こい」
ユウヤ「喧嘩なんかしてねーよ。」
「いいからこい!
えーと 次は…林ー」
「はーい」……
カナタがこっちを見てニヤニヤしてる。
ハァ…
めんどくさいな…
キーンコーンカーンコーン♪
1日の授業も終わる。
カナタ「よし!!
裕也、心 急いで逃げるぞ!
太田っちにバレる前に!」
ユウヤ「あぁ ごめん
先に帰ってて !
俺職員室行かなきゃならねーから」
カナタ「行かなきゃいいじゃん!!!」
ユウヤ「行かないと又明日呼ばれるし
だったら今日行ってくる」
カナタ「そか… 真面目だな…
わかった
じゃあ 先に健太ん家いってるわ
心行こー」
ユウヤ「おぅ わりぃな。
じゃぁ後でな!」
カナタ シン「おぅ!」
ハァ…
心と奏太の姿が見えなくなると ため息をついて職員室に向かう。
今日はため息が多い…
ユウヤ「しつれーしまーす」
「おぅ 長谷川 。
お前何したんだその顔の傷は…
ていうか職員室でくらい制服のボタンしめろ!」
ユウヤ「転びました。」
「転んでそんな傷つかないだろ!
誰とやりあったんだ?」
ユウヤ「猫です。」
「お前なぁ…」
………
ユウヤ「しつれーしましたー」
すっかり辺りは暗くなってる。
適当に答えていたせいで長くなった…
部活で忙しく動き回る 後輩達を横目に玄関に向かう。
サヤ「裕也ー!」
後ろから声をかけられビックリして振り返る。
ユウヤ「おぅ!
紗夜も今帰りか?」
サヤ「そーだよ!!
てかどーしたの?その顔!!!
大丈夫?」
紗夜はまだ知らないらしい。
ユウヤ「何もないよ。
猫と戯れただけ!(笑)」
サヤ「っあ! ちょっとまって
……もぅ 動かないで!」
鞄からリラックマの絆創膏を取り出すと
切れている口の端に貼ってくれた。
サヤ「裕也、健太の家いくの??」
ユウヤ「今日は遅いし、行かないよ!」
サヤ「遅いっていつもはまだ遊んでる時間でしょ?(笑)
うー寒い。
っあ! 星綺麗!!!」
本当は美哉に会うのが気まずいだけだ…
学校を出て星を見上げながらそぅ思ってた。
ユウヤ「紗夜は行くの?
美哉いるだろうし」
サヤ「んーー 行かないかな
昨日、美哉機嫌悪かったし(笑)
ちょっと会いにくいかな。」
事情を知ってるだけに辛くなった。
全部話しした方がいいのかなんて思っていると
サヤ「裕也も健太ん家いかないなら 一緒に帰らない?」
そぅ笑いながら言う紗夜が少し悲しそうにみえて、いつもなら飛んで喜ぶぐらい嬉しいのに、体の痛さとで半減した。