報告
よし!向かうか!
自分に気合いをいれるかのように呟くと自転車を漕ぐ。 いつにもましてスピードが出てるような気がした。
公園に着くと 月明かりに照らされて以前と同じブランコに美哉が乗ってる。
相変わらず不機嫌そうな美哉の隣に黙って腰掛ける。
シュポッ…
ジー……
無言の中、火をつけたタバコが減っていく音ですら耳につく。
ミヤ「ハァ… あのさ…」
機嫌が悪いっていうよりは元気がない。
ユウヤ「どーした?」
ミヤ「……紗夜と別れようと思う。」
嫌な間があき ジーって音とブランコの軋む音がする。
ユウヤ「っえ? なんで??
喧嘩でもしたのか」
なんて言ったいいのかわからず当たり前の言葉しかでてこない。
ミヤ「…喧嘩したわけじゃないけど」
ユウヤ「じゃぁなんだよー
浮気でもしたか?
美哉モテるもんなー!(笑)」
空気に耐えれなくて声が大きくなる。
ユウヤ「なんか言えよー
なわけ無いよな(笑)
浮気しても別れないのが美哉だろ?」
言ってることがめちゃくちゃだ…
ミヤ「…優里香って知ってるよな?」
ユウヤ「あぁ 中学の一個下の後輩だろ? 俺らを…てか美哉を…か。 追いかけ回してたかわいいけどうるさい子(笑)
その子がなんかしたのか?」
ミヤ「…俺 …その子と付き合ってんだよ去年から。」
ユウヤ「は?
そんなの初めてきいたけど?
…意味わかんないんだけど」
ミヤ「いや バイト先で偶然再開して
そのまま… 家泊まりに来たから。
そんで…」
ユウヤ「いや そんでじゃねーだろ! じゃぁ紗夜はなんなんだよ!」
ミヤ「まぁかわいいし 優里香に飽きてたから… 」
ユウヤ「それで紗夜にばれたからって別れるってこと?」
ミヤ「……こないだ紗夜、学校でなんかあんじゃないか?って言ったじゃん?
優里香が友達と電話してるの聞いたんだけど、優里香と紗夜同じクラスだったらしくて。
…人の彼氏とったって優里香が騒いでるらしい。
紗夜それを知ってて俺と付き合っ……」
何がなんだかわからなくて気付いたら美哉に殴りかかってた。
自分でも何がしたいのか、
何にイラついてるのか正直わからなかった。
ミヤ「ッチ いってーな!!」
美哉のパンチに景色が揺れる…
ユウヤ「うるせーよ」
必死に抵抗してた。
気付いたら2人して痛いからなのかわからない涙を滲ませ殴りあってた。
ハァ…ハァ…
寝そべってる俺を美哉が肩で息をしながら見下ろしている…
ミヤ「ッつー 」
と口元の血を拭い そのままタバコに火をつけ、ゆっくり深呼吸した後 背中を向けて歩いていった………
ユウヤ「いってぇ….」
美哉が見えなくなると ゆっくり立ち上がり家に向かって自転車を押した。
さっきまでと同じはずの月明かりが涙で滲んだ。