公園
ポキポキ♪
[先行って まってるぞ!]
美哉からのラインにおぅと一言だけ返すと俺も家をでた。
自転車を走らせ愛用のセブンスターに火をつける。
風で先端が明るくそして儚げに赤く光った。
公園につくと公園の奥にあるブランコの所でも赤い光が揺れていた。
ユウヤ「っよ!どーした?」
そう言いながら2つ並ぶブランコの右側に座る。
美哉はフーとゆっくり煙を吐き出すと足元でタバコを消しながら言った。
ミヤ「お前 紗夜のこと好きなの?」
ユウヤ「ん…んなわけないじゃん。
美哉の彼女なんだしさっ!
何?急に!」
予想外の問いかけに動揺した。
ミヤ「別になんもねーよ(笑)
ただ昨日の感じからかな?
まぁそれならいいけどさ。」
ポケットから携帯を取り出し安心したかのように言った。
ついた携帯の明かりになぜか俺も安心した。
ミヤ「それでさ、裕也にお願いあるんだけど…」
ユウヤ「何?
また喧嘩しようぜとかは無しね!」
ミヤ「いやいや
俺も大人になったから!
あの時はごめんって!」
ユウヤ「はいはい(笑)
んでどーしたの?」
真剣な顔に戻る美哉と重なって雨が降りはじめた。
ミヤ「もし学校で紗夜になんかあったら教えてくんない?」
ユウヤ「…なんか?」
ミヤ「紗夜学校でなんかあったっぽい…
学校に行きたがらないんだよな」
ユウヤ「ニートの美哉とただ一緒にいたいだけじゃないの?(笑)」
ミヤ「ニートじゃない一応バイトしてるしフリーターだ!
まぁわかんないけど もし学校でなんかあったら教えてくれ。」
ユウヤ「わかった。
でも美哉の彼女だから大丈夫じゃない?」
ミヤ「どういう意味だよ!」
ユウヤ「そのまんま(笑)
でも まぁわかったよ!」
ミヤ「頼むわ!
急に呼び出して悪かったな(笑)
雨降ってきたし帰るわ!」
ユウヤ「おぅ、じゃーな」
雨でなかなかつかないタバコにやっと火をつけ公園を後にした。
……
翌朝、昨日の夜から降り始めた雨があがることはなかった。
「日直だからー!」と先に行った奏太と心はもう学校についているのだろうか。
傘をさしながら自転車を漕ぐ。
キーンコーンカーンコーン♪
チャイムの音と同時に教室に入ると奏太が駆け寄ってくる。
カナタ「おっぱよぉ〜
今日の裕也君はぁー遅刻なし!
ギリギリセーフでした」
ユウヤ「おはよ!
相変わらず朝からテンション高いな(笑)」
カナタ「えへへ〜
てかさ紗夜ちゃん俺らの後輩だったんならさ昼休み会いに行かない?」
ちょうど良かった。様子見ておいたほうがいいだろうし。
……
キーンコーンカーンコーン♪
カナタ「終わったぁー 疲れたー お腹減ったー
裕也、心、購買行くついでに紗夜ちゃんとこ行こうぜ!行こうぜ!」
ユウヤ「疲れたってずっとイビキかいて寝てただけだろ(笑)」
シン 「そう言う裕也も寝てただろ」
そう話ししながら階段を上る。
ユウヤ「てか何組かわかるの?」
シン 「………」
カナタ「っえ?A組じゃないの?」
ユウヤ 「そうなの?」
カナタ「いや知らない!」
ユウヤ「なら勝手にA組にすんなよ(笑)
シン「…アレ」
心の指さした方を見ると紗夜ちゃんがあまり浮かない顔をしてこっちに歩いてくる。
カナタ「紗夜ちゃーん!!」
ユウヤ「ちょっ 奏太 声でかい…」
うつむきながら軽く会釈して俺らの横を通り過ぎる。
心は奏太の声が大きいから恥ずかかったんだよって言ってたけど。
俺は昨日の美哉との話を思い出して気になって仕方なかった。
1日の授業も終わるころ
ポキポキ♪
健太からライン。
[今日俺ん家遊べないわ わりぃ]
ユウヤ「今日、健太遊べないってよ」
カナタ「なら 雨もやんだし、帰り道マックでも行きますか〜
夕日に向かってゴー!」
シン「ごめん 俺、用事あるから帰る」
カナタ「まじか!
なら今日はまっすぐ帰りますかぁ!
裕也はどーする?」
ユウヤ「なら俺も帰るよ。」
もやもやした気持ちを象徴するかのような夕日が気持ち悪かった。