告白
あの日、文化祭終わりの夜、久々に健太の家で美哉に会った。
最初は気まずく、紗夜の気持ちを考えると複雑な心境にはなったが付き合いの長い俺らのことだ すぐに元通りになった。
11月になりすっかり周りは受験モードということもあり3年生は放課後帰るのも遅くなり紗夜と話す機会も減った。
また以前と変わらないような日々にもどる。
カナタ「もーやだよー。
なんで俺、進学しないのに残んなきゃなんないのー。」
俺と心は近くの大学を奏太だけ就職を希望していて徐々に離れ離れになっていく感じかする。
ユウヤ「俺らが終わるまで待ってるからだろ(笑)」
シン「いい機会だから勉強しろってことだ。」
カナタ「なんだよせっかく待ってやってんのにー!」
シン「暇なだけだろ?」
カナタ「まぁそうなんだけどさ!
よし!帰ろぅぜ!」
ユウヤ「ごめん俺これから面接練習…先帰ってて!」
…心と奏太と別れ面接練習も終わり帰路につく。
ポキポキ♪
久々に紗夜からラインがきた。
[やほ(^^)!勉強お疲れ様!
裕也 もぅかえった?]
[[いや今学校でたとこ!]]
久々のラインに胸が踊る。
[よかった(≧∇≦)
たまには一緒に帰らない?
追いかけるから(笑)]
[[いいよ!]]
…しばらくすると息を切らしながら紗夜が追いついた。
サヤ「はぁ…はぁ…
ごめん まった?」
ユウヤ「んーん全然!」
サヤ「なんか久しぶりだね(笑)」
ユウヤ「だなー
でもどーしたの?珍しいな!」
サヤ「んー玄関先で奏太達にあって裕也が面接練習してるって言ってたから。
私も残ってたからさ…
たまにはいいかな?って!!」
そう言い笑った顔にドキドキする。
やっぱり好きな気持ちは変わってない…
ユウヤ「そぅなんだ!
まぁいいけどね暇だったし!」
2人の漕ぐ自転車の後ろに影が色濃く残る。
サヤ「ねー 暇なら少し話しない?」
そのまま紗夜の家の近くの公園に行くことになった。
公園に着く頃には日も暮れ辺りも暗くなっていた。
そのままブランコに腰掛ける。
サヤ「裕也達のおかげで優里香と仲直りできたし、あの時はありがとね!
まだちょっと気まずい時あるけど…」
ユウヤ「俺は何もしてないよ!
でもよかった!」
サヤ「美哉のことももぅ吹っ切れたしね!
いっぱい泣いたし!」
ユウヤ「本当?
でもごめんな?イツメンを代表して謝っとく!
美哉が悪いのは当たり前なんだけど。
ただ美哉も100%遊びだったわけじゃないも思う。
そういうやつなんだよね…」
サヤ「うん。わかってる!
美哉を許さない気持ちなんかないし。
でも裕也達が羨ましいよ
ほんと仲良いもんね(笑)」
ユウヤ「まぁ付き合い長いからね(笑)」
……一瞬の沈黙があり秋風がふく。
沈黙がよくわからない緊張感を際立たせる。
サヤ「うー寒いね。」
ユウヤ「そーだね。
紗夜 好きな人とかできた?」
サヤ「んー気になる人はいるよ!」
もしかして…という期待感と
違ったらという不安感に押しつぶされそうになる。
ユウヤ「そ…そーなんだ!
俺知ってる人?」
サヤ「んー 知ってるんじゃないかな?(笑)」
余計期待してしまう……
ユウヤ「えー誰だろ…
奏太とか?…」
ゆういつでた言葉がそれで違ってあってほしい…
そう願うしかできない。
サヤ「はは(笑)違うよ!
奏太も面白いしいい人だけど恋愛対象ではないかな?」
ホッとしながらもいまだに消えぬ不安感を拭い去りたくて仕方なかった…
ユウヤ「そっか。よかった…
あ…あのさ……
俺はまだ紗夜の事好きだから!
よかったら俺と付き合ってほしい!…」
不安感を拭いたくて言ってしまった……
一瞬紗夜の顔が驚いたように見えた。
今度は別の不安感に駆られる。
サヤ「……ありがとう。
私でいいの?」
ユウヤ「っえ?
てことは…!」
サヤ「うん。
私も裕也が好き!
でも私と付き合ったらイツメンと気まずくならないかなと思って…」
それで文化祭終わってからラインもあまりこなくなってたんだ……
ユウヤ「それは大丈夫!!
……改めて俺と付き合って下さい。」
サヤ「…はい!
よかったぁ…裕也が他に好きな人できてたらって思って…」
笑いながらも涙を流す紗夜。
ユウヤ「なわけないでしょ!
ずっと紗夜が好きだよ。
泣かないでよ(笑)」
サヤ「だって…」
気がつくと紗夜の唇に唇を重ねていた。
涙がまじり今までで一番しょっぱい味がする。
秋風が雲を流し空には満点の星が広がっていた。




