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獣の烙印  作者: 日野枝 弥
44/53

第四拾四話 戦闘開始

 守護四家は主殿へとたどりついた。

 途中、腹をすかせた雑魚妖鬼(ざこようき)が襲ってきたが、返り討ちにしてやった。

「左近、火気(かき)を使う時は注意してくださいね」

「そうじゃ、妖鬼を倒す為とはいえ、楼閣に燃え移ったりしたら姫殿に危険が及ぶ」

「わかってるって」

 いつまでも続く階段に、左近がうんざりして言った。

「なぁ、宝玉の気配がしねぇよ。姫さん…大丈夫かな?」

「大丈夫に決まっています。くだらないこと言ってないで宝玉の気配を探しましょう」

「うむ」

 先頭を行く天壱からの返事はない。


(絶対に助けてやる。待ってろよ、結子)




 ようやく主殿の最上階らしきところへ出た。

 広い石畳(いしだたみ)の正面には、踊り場と階段がいくつも連なり、祭壇のようになっていた。そして、そこには巨大な襖らしきものが開かれている。左右は剥きだしの岩肌だ。

「なっ…なんだ!?」

「大当たりのようですね」

「気をつけろ。感じる…近くに妖鬼がおる」

 実は四人が真っ先に目を奪われたのは祭壇ではなかった。

 岩肌にそって連なっている無数の白い繭──その中には幾人(いくにん)もの少女たちが閉じ込められていた。

「結子、結子はどこだ…」

 おびただしい数の繭、繭、繭。

 縦にも横にも隙間(すきま)なく埋め尽くされた繭の中では、命あるモノの気配。

「彼女たちは生きていますよ。おそらく姫様もこの中の何処かに…」

「めんどくせぇ、手前から壊しちまおーぜ!! 夜叉丸、変化(へんげ)だッ」

「うっきぃ」

「それは困りますわ」

 夜叉丸が仕込み刀へと変化した瞬間、芙蓉(ふよう)明凛(めいりん)香頭羅(かずら)の三人が現れた。

「ようやくおでましか」

「また会ったな。だが言ったはずだ。この次会う時がお姫様を失う時だと」

 天壱は刀を二本かまえた。香頭羅もまた肩にかけていた輪状の刀を両手にかまえる。

「来るぞ」

「万里は姫さんを探してくれ!」




 戦いが始まった。

 天壱は香頭羅と対峙している。彼の武器は輪状の刀だ。

 片方で天壱の刀を受け流すと、もう一方の武器を投げ飛ばす。

 思いがけない方角から弧を描いて戻ってくるので、気がそがれて集中できない。

 天壱は押され気味だった。

「そらそら、どうした! 力を得たといっても、所詮(しょせん)はその程度。百年前のように可愛がってやるよっ」

「くそっ…!」


 その近くでは左近が芙蓉と空中戦をしていた。

 芙蓉が巨大な鉄扇(てっせん)で暴風をおこすと、左近も負けじと翼を使って応戦(おうせん)した。

「サルみたいに身軽ですわね! 脳ミソも軽そうですわ」

「うるせー、年増(としま)!!」

「なんですってっ」

「千年生きてりゃ、十分、ババアだ!!」

 空中では舌戦(ぜっせん)も繰り広げられていた。


 ようやく戦いが始まったというカンジであります。

実は携帯から投稿しようとしたら、なんか変な操作をしてしまったらしく、44話が43話より先に掲載されるという失態をしでかしてしまいました。

 一瞬とはいえ、もし44話を先に読んでしまった方がいたらすみません。(泣) 

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