統一帝国 ヴァルシュタッド日報
――――以下、ヴァルシュタッド中央日報社『ヴァルシュタッド日報』より抜粋。
統一帝国竜人強襲事件 ―― ヴァルシュタッド、帝都を襲う
(ヴァルシュタッド発)統天暦398年 2月某日午後(現地報)
見出し
帝都防壁を破壊、竜人一体・翼竜七体が侵入 市街地は混乱、被害甚大、死傷者多数
第一戦闘師団・皇室親衛騎士団総団長(当時の呼称)「ベアトリーチェ=アウレリア・ロードスクヴェルト」(女性)、騎士団将校と連携し翼竜を全て駆逐 — 竜人は逃走
皇帝、現地にて後日叙勲――ロードスクヴェルトに「聖七天大英雄」を授与
概要(要旨)
本日午後、中央統一帝国(正式国号:アウスデリア統一帝国)の首府 ヴァルシュタッド にて、未曾有の襲撃事件が発生した。帝都外郭防壁が何者かに破られ、その裂け目から竜人とみられる一体と、翼竜(いわゆる竜族飛行魔獣)七体が市内へ侵入。出動した帝国軍の第一戦闘師団及び皇室親衛騎士団がただちにスクランブル発進し、主導的役割を果たした第一戦闘師団・皇室親衛騎士団総団長の「ベアトリーチェ=アウレリア・ロードスクヴェルト」(女性、以下「ロードスクヴェルト」)らの奮戦により、侵入した翼竜は全て駆逐された。
一方で、竜人一体は戦闘の混乱に乗じて撤退・逃走したとみられ、出自・目的ともに今なお不明である。帝都内では倒壊した建物や炎上による二次被害が広範囲に及び、当局は死傷者の確認と被害範囲の全容把握を急いでいる。
時系列(現地報告をもとに整理)
・同日午後(正確時刻は調査中)、帝都外郭の北西区間にて防壁の一部が破壊され、巨大な飛翔体の影が市内へ侵入。
・第一戦闘師団副団長より直ちに第一戦闘師団および皇室親衛騎士団に出動命令。ロードスクヴェルト率いる第一戦闘師団は現場に急行。
・翼竜7体が住宅密集地に突入し、建物破壊・市民への被害を発生させる。戦闘により次第に翼竜を撃破。
・竜人一体は細身ながら重装甲のような容貌を示したとの目撃証言あり。戦闘の混乱を利用して撤退。現在も所在不明。
・夕刻、皇帝が臨時評議を経て被害鎮静化を宣言。
・後日、ロードスクヴェルトに対し、過去の赫々たる功績の数々。本事件の被害抑止と勇戦を称え「聖七天大英雄」の称号が授与された。
現場の声・当局発表
帝国報道官(暫定):「本件は外部からの突発的侵入であり、組織的な侵攻の有無は現在精査中です。竜人の出自、飛来経路、目的については引き続き情報収集を行います。市民の安全確保と被災者救援を最優先としています」
皇帝(短評):「帝都と民を守った勇気は、帝国の誇りである。大陸合議の元、この勇を以て聖大英雄の一角を授与することを決定した」
ロードスクヴェルト(授与直後の発言):「このたびは多くの市民に被害を出してしまい、喜びどころではありません。竜人を取り逃がしたこと、帝都に被害を防げなかったことを深く反省しております。再発防止に向け、全力を尽くします」
戦果と被害(暫定)
・戦果:翼竜7体を撃破。竜人一体は駆逐(逃走)。
・被害:市街地における建築物損壊、火災の発生、交通の麻痺。負傷者・行方不明者が発生しているとの民間報告あり。正式な死傷者数は当局が集計中。救援隊および衛生兵の到着により被害は次第に把握される見込み。
・社会影響:市場と港湾の一部閉鎖、城門検問の強化、帝国境内の警戒レベル引き上げ。
功労者・部隊列伝
・ロードスクヴェルト(第一戦闘師団・皇室親衛騎士団総団長):現場指揮、前線戦闘により主力の竜人駆逐を達成。
・第一戦闘師団副団長、ウォードン・ベクトルリング:機動部隊の統率、前線での戦闘支援。
・皇室親衛騎士団副団長、レシア・フォン・ソルディエール:側面からの前線援護と後方の徹底防衛を実施。
・皇室親衛騎士団副長、リル・アルシュファ:ロードスクヴェルトの戦闘を火力支援し、後方の徹底防衛を支援した。
(上記の4名および両騎士団の奮戦が、今日の被害拡大を食い止めた最大要因と評される)
市民の声
「突然、空が裂けて獣が降ってきた。盾も矛も役に立たず、市場は阿鼻叫喚だった。だが騎士団が来てからは希望が見えた」(北区・露店商)
「我が家は焼けてしまった。けれど騎士たちが子どもを抱えて避難させてくれた。感謝している」(被災住民)
専門家コメント(追記)
軍事評論家(匿名):「翼竜の同時襲来は高度な戦術的狙いを示唆する。単なる魔獣の暴走とは考えにくく、何者かが操るか誘導した可能性がある。竜人が一体、かつ逃走している点は警戒を要する」
魔導学研究者(学会関係者):「竜人や翼竜の出自、及びなぜ都市中心部の防壁が破られたかは、魔導的干渉の可能性を排除できない。専門チームによる調査が急務である」
編集部注
中央大陸に位置するアウスデリア統一帝国は、周辺諸国および魔王国との緊張と交易の要衝を抱える大国である。帝都ヴァルシュタッドは長年にわたり堅固な防壁と守備隊を有してきたが、今回のように外郭を破り市中深く侵入した事例は稀である。現状は「単発の襲撃」説と「組織的な先制行動」説が混在しており、真相究明には時間を要すると見られる。
今後の見通し
・帝国は軍・魔導双方の合同調査団を編成し、竜人の出自と侵入経路の解明に当たる方針。
・国境警備の大幅強化、主要都市での臨時検問と非常動員が実施される見込み。
・市民は当局の指示に従い冷静な行動を要請されている。
追報:本紙は引き続き現地取材を継続します。被害の詳細、政府の追加発表、及び逃走した竜人の動向が判明次第、随時ご報告いたします。
(編集部)中央統一帝国・ヴァルシュタッド中央日報社/軍事取材班まとめ
この時代に新聞紙なるものは存在しないので、オリジナルの紙を設定しました。今後ストーリーにも登場します。
( ꒪Д꒪)ヨマナクテモダイジョブダヨ
灰白繊紙-かいはくせんし-
(別名:都市紙/印刷紙)
概要
植物繊維を主原料とする量産可能な紙で、
新聞、公文書、都市掲示、書籍の下書きなどに広く使われている。
見た目:やや灰色がかった白
触感:羊皮紙より薄く、現代の新聞紙よりやや厚い
耐久性:中程度(数十年単位の保存が可能)
「保存には羊皮紙、流通には灰白繊紙」という使い分けがされている。
原材料
主原料は以下の繊維植物:
亜麻(リネン系)
麻
一部、樹皮繊維(楮・類似植物)
都市部では布くず(麻布・木綿布)の再利用も行われる
※ 木材パルプ主体ではないため、
完全な近代製紙技術にはまだ至っていない段階。
製造工程
1、植物繊維の水浸・発酵
繊維を柔らかくし、不純物を除去
2、叩解
水車・簡易粉砕機を使用
3、繊維液の漉き上げ
網枠で均一に広げる
4、圧搾・乾燥
5、表面処理(軽いサイズング)
澱粉や樹脂を薄く塗り、滲みを防止
→ 活版印刷・印刷の双方に対応可能
性能的特徴
( ꒪Д꒪)bグッド:インクの吸いが良く、乾きが早い
( ꒪Д꒪)bグッド:両面印刷が可能(羊皮紙より大きな利点)
( ꒪Д꒪)bグッド:大量生産が可能 → 情報流通が加速
( ꒪Д꒪)pバッド:水には弱い
( ꒪Д꒪)pバッド:長期保存には向かない(百年単位は不可)
用途
新聞・瓦版・戦況報告書
要塞都市の通達・掲示物
人材派遣組合 (放浪者ギルド) の依頼書
学術資料の写本
魔導理論の草稿(正式版は羊皮紙など)
社会的・文化的立ち位置
都市文明の象徴
軍事国家では「情報を速く回すための紙」
プロパガンダでも多用
貴族・王侯→羊皮紙
官吏・軍・市民→灰白繊紙




