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私、悪役令嬢なのに攻略対象に溺愛されています!? 〜乙女ゲーム世界で5人の王子様に囲まれる日々〜  作者: 恋咲ロマンティカ


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【アレクシス・エルデンハート ルート】第2話

あの日から、アレクシスは本当に毎日、私と一緒にいるようになった。

朝、教室に行けば既にアレクシスが私の席の隣に座っている。


「おはよう、リディア」


「お、おはようございます……アレクシス」


もう「様」をつけることも許されない。

授業中も、アレクシスは私の隣。

本来、王太子は特別な席があるはずなのに。


「アレクシス、これ……授業、大丈夫なんですか?」


「問題ない。お前の側にいる方が重要だ」


(いや、問題しかないでしょ……!)


周囲の生徒たちの視線が痛い。

特に、女子生徒たちの嫉妬の視線が。


昼休み。


「リディア、昼食は私の部屋で取ろう」


「え、でも食堂で……」


「二人きりの方がいいだろう」


アレクシスは有無を言わさず、私の手を引いた。


王太子専用の離れ。

豪華な部屋に、用意された昼食。


「座れ」


ソファに座ると、アレクシスが隣に座る。

いや、密着するように。


「あ、アレクシス……近い、です……」


「婚約者だ。これくらい当然だろう」


そう言って、彼は私の肩を抱き寄せた。


「っ……!」


「お前は、私のものだ。それを周囲に示す必要がある」


「でも……」


「それとも……」


アレクシスの深紅の瞳が、私を見下ろす。


「お前は、私の婚約者であることが嫌か?」


その声には、少しだけ——

不安が混じっていた。


「い、嫌じゃ……ないです」


「……そうか」


アレクシスは、ほんの少しだけ、表情を緩めた。


「なら、いい」


そして、私の髪を撫でる。


「お前の髪は、綺麗だな」


「あ、ありがとう……ございます」


「お前の全てが、美しい」


彼の手が、私の頬に触れる。


「この瞳も、この唇も……全て、私のものだ」


その言葉は、愛情なのか、所有欲なのか——

分からなかった。



午後の授業が終わる。


「リディア、今日は私の執務を手伝え」


「え、でも私……」


「婚約者として、王太子妃の勉強も必要だろう」


(確かに、それは正論だけど……!)


執務室に連れて行かれ、アレクシスの隣に座らされる。


「これが、今月の国家予算の書類だ」


「は、はい……」


書類を読むが、正直難しい。


「……分からないか?」


「すみません……」 


「謝る必要はない」


アレクシスは、私の手を取った。


「これから教える。お前には、私の隣に立つ王太子妃になってもらうからな」


その言葉は、優しいようで——

でも、選択肢を与えられていない。


「アレクシス……」


「何だ?」


「もし、私が……王太子妃になりたくない、と言ったら?」


一瞬、アレクシスの手が止まった。

そして——


「そんなことは、言わせない」


彼は、私を抱き寄せた。


「お前は、私のものだ。それ以外の未来は、ない」


「っ……!」


「お前が逃げようとするなら……」


彼の腕に、力が込められる。


「鎖で繋いでも、側に置く」


その声は、冗談ではなかった。


本気だ。

この人は、本気で私を——



夕方、寮に戻ろうとすると、


「待て」


アレクシスが、私の手を掴んだ。


「まだ、帰さない」 


「え、でも……もう夕方ですし……」


「夕食も、一緒に取る」


(え、夕食まで……!?)


「アレクシス、さすがに……」


「何が問題だ?」


彼は、真顔で言う。


「朝、昼、夜……全ての時間を、お前と過ごしたい。それの何がいけない?」


「それは……」


「私は、お前と離れたくない」


その言葉は、まるで——

子供のようだった。


「……分かりました。夕食だけ、ですよ?」


「……ああ」


アレクシスは、少しだけ嬉しそうに微笑んだ。

その笑顔を見ると——

断れない自分がいた。



夕食後、ようやく寮に戻れた。

部屋に入って、ベッドに倒れ込む。


「はあ……疲れた……」


アレクシスといると、気が休まらない。

常に監視されているような、束縛されているような——

でも、不思議と嫌じゃない自分もいる。


(どうして……?)


その時、窓をノックする音がした。


「!?」


また!?

窓を開けると——


やっぱりアレクシスがいた。


「ア、アレクシス!?何で!?」


「お前の顔を見たくなった」


(さっきまで一緒にいたでしょ!?)


「お前が無事に部屋に着いたか、確認したかった」


「だから、って……」


「それに……」


アレクシスは、私の手を取った。


「お前と離れていると、不安になる」


「……え?」


「お前が、どこかへ行ってしまうんじゃないかと……」


その声は、震えていた。


「アレクシス……」


「だから、確認したかった。お前が、ここにいることを」


彼の瞳が、私を見つめる。

その目には恐怖が、見えた。


(この人……怖いの? 私が、いなくなることを……?)


「……私は、ここにいますよ」


思わず、そう言っていた。

アレクシスは、ほっとした表情を浮かべた。


「……ああ」


そして、私の額にキスをした。


「おやすみ、リディア。……明日も、必ず私の側にいろ」


そう言って、彼は去っていった。

私は、額に手を当てた。

まだ、温かい。


(この人の愛は……重い)


でも——


(嫌いじゃない……かも)


そう思ってしまった自分が、怖かった。




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