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私、悪役令嬢なのに攻略対象に溺愛されています!? 〜乙女ゲーム世界で5人の王子様に囲まれる日々〜  作者: 恋咲ロマンティカ


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【ヴィクター・エステル ルート】第3話

あの日からヴィクターの「奉仕」はますます加速した。


朝、寮から出ると当然のようにヴィクターがいる。


「おはようございます、リディア様!」


「おはよう、ございます……」


「今日も朝食を作ってきました!」


「……ありがとうございます」


もう断るのは諦めた。


中庭で朝食を食べる。

今日も豪華な料理が並んでいる。


「ヴィクターさん……これ、何時から作ってるんですか?」


「夜中の3時からです!」


「寝てないんですか!?」


「大丈夫です! リディア様のためなら眠くありません!」


(それ、絶対身体に悪い……!)


「ヴィクターさん、無理しないでください……」


「無理なんてしていません! これが僕の幸せですから!」


その笑顔は本気だった。


(この人……本当に……)



授業が始まる。

ヴィクターは教室の前で待機している。


(え……授業、どうしたの……?)


休み時間になる。


「リディア様!」


ヴィクターが教室に入ってきた。


「お飲み物です!」


差し出されたのは冷たいお茶。


「あ、ありがとう、ございます……」


「喉、渇いていませんでしたか?」


「え、ええ……ちょうど、喉が……」


「良かったです!」


ヴィクターは満面の笑みを浮かべた。


「では、次の授業も頑張ってください! 何かあればすぐ呼んでくださいね!」


そう言って去っていった。

周囲の生徒たちがざわついている。


「すごい……あれが、エステル侯爵家の次男……?」


「リディア様にベタ惚れなんだって……」


(恥ずかしい……!)



昼休み。


「リディア様!」


またヴィクターが現れた。


「今日のお弁当です!」


開けてみると、今日も豪華なお弁当。


「ヴィクターさん……これ、作りすぎでは……?」


「いえ! リディア様の栄養バランスを考えて完璧に作りました!」


(完璧……)


「さあ、召し上がってください!」


ヴィクターは嬉しそうに私の隣に座った。


「……ヴィクターさんは?」


「僕はリディア様が食べているのを見るのが幸せです!」


(自分の分は……!?)


「一緒に食べてください」


「え、でも……」


「一緒に、食べましょう」


私が、そう言うとヴィクターの目が潤んだ。


「リディア様……!」


「ヴィクターさん……?」


「リディア様は……本当に、優しい……!」


そして泣き出した。


「ちょ、ちょっと!?」


「僕なんかと一緒に食事を……そんな、光栄なことが……!」


(大げさすぎる……!)


「だから、泣かないでください……!」


「はい、すみません……嬉しくて」


ヴィクターは涙を拭いた。


(この人……感情の振れ幅大きすぎる……)



お弁当を食べる。


「リディア様、お口の周りにご飯粒が」


「え?」


ヴィクターがハンカチで私の口元を拭いた。


「……」


「これで大丈夫です」


「あ、ありがとうございます……」


(恥ずかしい……!)


「リディア様のお世話ができて僕は幸せです」


ヴィクターは本当に嬉しそうだった。


(この人……本当に、私の世話をするのが好きなんだ……)


その時。


「あら、ヴィクター様」


女子生徒が数人近づいてきた。


「今度のパーティー来られますか?」


「ああ、すみません。遠慮しておきます」


「え、どうして……?」


「僕はリディア様のお世話をしたいので」


女子生徒たちはポカンとした顔をした。


「え……でも、パーティーって……」


「リディア様がいらっしゃらないパーティーには興味がありません」


(え……)


「それに、その時間はリディア様のお世話をする時間ですから」


ヴィクターはきっぱりと断った。

女子生徒たちは諦めたように去っていった。


「……ヴィクターさん」


「はい?」


「パーティー、行かなくてよかったんですか……?」


「ええ、全く問題ありません」


ヴィクターは笑顔で答えた。


「僕にとって、一番大切なのは……リディア様ですから」


その言葉にドキッとした。


「……」


「リディア様のお側にいられるなら、他には何もいりません」


(この人……本気で私だけを見てる……)


嬉しいような怖いような。

複雑な気持ちになった。



放課後。

図書館で本を読んでいた。


「リディア様!」


ヴィクターが現れた。


「お茶とお菓子をどうぞ!」


「……ありがとう、ございます」


もう慣れた。

ヴィクターは私の隣に座った。


「リディア様は何の本を読んでいらっしゃるんですか?」


「魔法の本です」


「そうですか。勉強熱心ですね」


「そんな……」


「リディア様は本当に素晴らしい方です」


ヴィクターはうっとりとした顔で私を見つめた。


(な、何その顔……!)


「あの……ヴィクターさん、そんなに見つめないでください……」


「でも、リディア様は美しいので……つい……」


「恥ずかしいです……!」


「すみません!」


ヴィクターは慌てて目を逸らした。

でもすぐに、また私を見る。


(見てる……!)


「ヴィクターさん……」


「すみません……どうしても、目が離せなくて……」


その言葉は本気だった。


(この人……本当に……)



夕方。

寮に戻る。

部屋がまた綺麗になっていた。


(また掃除してる……!)


そして、机の上には——

花と手紙。


『リディア様へ。

今日も一日、お疲れ様でした。

リディア様の笑顔を見られて僕は幸せです。

明日もリディア様のために全力でお仕えします。

ヴィクター』


(この人……毎日、手紙書いてる……)


その手紙は温かかった。


(ヴィクターさん……本当に、優しい……)


胸が温かくなる。

でも同時に——


(これって……もう、逃げられない……?)


不安も感じた。



翌日。

朝、いつものようにヴィクターが待っていた。


「おはようございます、リディア様!」


「おはようございます」


「今日も朝食を……」


「ヴィクターさん」


私は彼を遮った。


「……はい?」


「少し……お話いいですか?」


「もちろんです!」


中庭のベンチに座る。


「……ヴィクターさん」


「はい」


「どうして……そこまで、私に……?」


その問いにヴィクターは少し驚いた顔をした。

そして——


「それは……リディア様が僕に『ありがとう』と言ってくれたからです」


「……それだけですか?」


「はい。でも……それが僕にとっては全てでした」


ヴィクターは空を見上げた。


「僕は侯爵家の次男です。兄は優秀で期待されている。でも、僕は……」


「……」


「誰も僕に期待していませんでした。僕が何をしても誰も見てくれなかった」


その声は寂しそうだった。


「だから、僕は……自分に価値がないと思っていました」


「ヴィクターさん……」


「でもリディア様は違った。僕のしたことに『ありがとう』と言ってくれた」


ヴィクターは私を見た。


「それだけで僕は……生きる意味を見つけたんです」


「……」


「だから、リディア様のために僕は何でもします」


その目は真剣だった。


「それが……僕の存在意義ですから」


(重い……)


でも——


(この人を拒絶したら……どうなるんだろう)


怖くなった。


「……ヴィクターさん」


「はい?」


「私は……ヴィクターさんに感謝しています。でも……無理はしないでください」


「無理なんて……」


「無理です。毎日、夜中から料理を作って授業もサボって……」


私はヴィクターの手を握った。


「私は……ヴィクターさんが倒れてしまうのが怖いです」


その言葉にヴィクターは涙を流した。


「リディア様……」


「だから……もう少し、自分を大切にしてください」


「……はい」


ヴィクターは頷いた。

でもその目には決意が見えた。


(この人……変わらない気がする……)


そして、その予感は正しかった。




第3話を読んでくださり、ありがとうございます!

ヴィクタールート、彼の献身的な奉仕がエスカレートしていますが、いかがでしたでしょうか?夜中3時からの料理、授業サボって待機、毎日の手紙……。健気すぎて心配になるレベルですね。

今回、ヴィクターの過去が少し明かされました。侯爵家の次男として期待されず、自分の価値を見出せなかった彼が、リディアの「ありがとう」で生きる意味を見つけた……という重い設定。リディアも「重い」と感じつつ、彼を拒絶できない優しさが切ないですね。

そして最後の「変わらない気がする」という予感。ヴィクターの献身はこれからどこまで行くのでしょうか……?

次回もお楽しみに!

皆さまの感想・ご意見をお待ちしています!

今後、どんなエピソードが読みたいですか?

•ヴィクターのさらなる暴走(?)

•リディアが本気で止めようとするシーン

•他キャラとの対立・嫉妬

•もっと甘い展開

ぜひ教えてください!参考にさせていただきます。

それでは、次回もお楽しみに!

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