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私、悪役令嬢なのに攻略対象に溺愛されています!? 〜乙女ゲーム世界で5人の王子様に囲まれる日々〜  作者: 恋咲ロマンティカ


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【ルシアン・ノワール ルート】第3話

あの日からルシアンとの個人指導は私の日課になった。


放課後、魔法学準備室へ向かう。

もう躊躇いはない。

扉を開けるとルシアンが本を読んでいた。


「来たね、リディア」


「はい、ルシアンさん」


もう敬称なしで呼ぶことにも慣れた。


「今日は魔法の応用を教えよう。座りたまえ」


私はいつもの席に座る。

ルシアンが後ろから私の肩に手を置いた。


「……」


「緊張しているね。力を抜いて」


「は、はい……」


「いい子だ」


耳元で囁かれて心臓が跳ねる。


(もう慣れるべきなのに……!)


でも、慣れない。

ルシアンの声は——

いつも、私をドキドキさせる。


「では、今日の課題だ」


ルシアンが魔法陣の図を見せる。


「この魔法陣を完成させてみせてくれ」


「え……これ、複雑すぎます……!」


「君ならできる」


ルシアンは私の頭を撫でた。


「君は自分が思っているより優秀だよ」


「……」


褒められると嬉しい。


(頑張らなきゃ……!)


必死に魔法陣を描いた。

一本、また一本——


「……そこ、少し違うね」


ルシアンの手が私の手に重なる。


「こうやって……」


彼の手に導かれて正しい線を描く。


「……なるほど……!」


「理解が早いね。さすがだ」


また褒められた。


(嬉しい……!)


そして魔法陣が完成した。


「できました……!」


「よくできた」


ルシアンは満足そうに微笑んだ。


「ご褒美に頭を撫でてあげよう」


「え……」


彼の手が私の頭を優しく撫でる。


「……」


(何これ……子供扱い……?)


でも嫌じゃない。

むしろもっと褒められたい。


(私……おかしくなってる……?)



指導が終わる。


「今日は本当によくできたね」


「ありがとう、ございます……」


「君は素直で吸収が早い。教え甲斐がある」


ルシアンは私の顎を持ち上げた。


「……このまま君を育てていくのが……楽しみだ」


「育てる……?」


「ああ。君を完璧な魔法使いに……そして……」


彼はニヤリと笑った。


「……完璧な、私の生徒に」


その言葉の意味が分からなかった。

でも、何か引っかかるものがあった。



翌日。

授業中、ルシアンが私を指名した。


「リディア嬢、この魔法の原理を説明してみたまえ」


「は、はい……!」


立ち上がって答える。


昨日ルシアンに教わった内容だ。


「……正解だ。よくできた」


「ありがとうございます……!」


席に座ると周囲の生徒たちがざわついている。


「すごい……リディア様、魔法得意なんだ……」


「ルシアン先生に褒められるなんて……」


その声を聞いて嬉しくなった。


(ルシアンさんに教わったおかげだ……!)


授業が終わるとルシアンが私に声をかけた。


「リディア嬢、少しいいかね」


「はい」


教壇に近づく。


「よくできたね。昨日教えたことを完璧に理解している」


「ルシアンさんの教え方が上手だからです」


「ふふ、お世辞かな?」


「本当です!」


ルシアンはくすくすと笑った。


「君は、本当に素直だね」


そして——


「その素直さが……君の長所でもあり、短所でもある」


「……え?」


「素直すぎると……利用されてしまうよ」 


その言葉の意味を考える。


「リディア!」


ガブリエルが教室に入ってきた。


「ガブリエルさん……」


「一緒に昼飯食おうぜ!」


「あ、はい……」


立ち去ろうとする。

ルシアンが私の手首を掴んだ。


「……先生?」


「リディア。放課後、必ず来るんだよ」


その声はいつもより少し強かった。


「……はい」


ルシアンは満足そうに手を離した。

 


昼休み。

中庭で、ガブリエルとお弁当を食べる。


「なあ、リディア」


「はい?」


「お前、最近……ルシアン先生とよく一緒にいるよな」


「え……あ、はい……個人指導を受けていて……」


「そっか……」


ガブリエルは、少し複雑な顔をした。


「……なんか気になるんだよな、あの先生」


「え……?」


「お前を見る目が……なんていうか……」


ガブリエルは言葉を探す。


「……怖いっていうか……」


その言葉に少しドキッとした。


「そ、そんなこと……」


「まあ、俺の気のせいかもな!」


ガブリエルは笑った。


「でも何かあったら言えよ! すぐ駆けつけるからな!」


「……はい」


(ガブリエルさん心配してくれてる……)


でも——


(ルシアンさんはそんな人じゃない……よね?)


少しだけ不安がよぎった。



放課後。

準備室へ向かうとルシアンが待っていた。


「来たね。今日もしっかり教えてあげよう」


「はい!」


いつものように指導が始まる。


でも今日のルシアンはいつもより——

近い。


「……ルシアンさん近いです……」


「ん? これくらい問題ないだろう?」


彼の手が私の肩に置かれる。


「君の魔力を直接感じた方が……指導しやすい」


「で、でも……」


「嫌かい?」


ルシアンの顔が私の顔に近づく。


「……っ!」


「顔が赤いぞ、リディア」


「そ、それは……!」


「可愛いね」


その言葉にドキドキが止まらない。


「さて、今日の課題だが……」


ルシアンは何事もなかったように指導を続けた。


(何なの……今の……!?)


心臓がバクバクしている。



その日の指導が終わる。 


「今日もよくできた」


「あ、ありがとう、ございます……」


「ご褒美は何がいい?」


「え……」


「よく頑張ったからね。何か欲しいものはあるかい?」


考える。


「……ルシアンさんに、もっと褒めてほしいです」


その言葉にルシアンは少し驚いた顔をした。

そして笑った。


「……ふふ、可愛いね、君は」


「え……」


「君は、褒められるのが好きなんだね」


「そ、それは……!」


「いいよ。君は本当によく頑張っている」


ルシアンは私の頭を撫でた。


「君は優秀だ。素直だ。そして……」


彼の手が私の頬に触れる。


「……私の、一番の生徒だ」


その言葉に胸が、熱くなった。


「……」


「どうした?」


「い、いえ……嬉しくて……」


「そうか」


ルシアンは満足そうに微笑んだ。


「なら、これからも……私の言うことをよく聞くんだよ」


「……はい」


私は頷いた。


でもその時は気づかなかった。


ルシアンの「教育」が既に始まっていることを。



翌日。

朝、教室に入る。

机の上に本が置いてあった。


『魔法の応用理論』


高度な内容の専門書だ。

栞にメモが挟まっている。


『次の指導までに読んでおくといい。

—— L.N.』


(ルシアンさんからだ……!)


嬉しくなって早速、本を開いた。


難しい内容だけど頑張って読もう。

ルシアンさんに褒められるために。


(あれ……私……)


ふと、気づいた。


(ルシアンさんに褒められることが……目的になってる……?)


でも、それの何が悪いんだろう。

褒められると、嬉しい。

認められると、嬉しい。


ルシアンさんに「いい子だ」と言われると——

心が、満たされる。


(これって……依存……?)


少しだけ不安がよぎった。

でも——


(ルシアンさんは私を大切にしてくれてる。だから……大丈夫、だよね?)


自分に言い聞かせた。



その日の放課後。

準備室に行くとルシアンが本を読んでいた。


「やあ、来たね。本は読んだかい?」


「はい! 全部読みました!」


「全部?」


ルシアンは少し驚いた顔をした。


「あれはかなり難解な本だが……」


「頑張りました!」


「……そうか」


ルシアンは立ち上がって私に近づいた。


「よくできたね、リディア」


「……」


彼の手が私の頭を撫でる。


「君は本当に……私の期待以上だ」


「ありがとうございます……!」


嬉しくて自然と笑顔になる。


ルシアンは私の笑顔を見る。


「……可愛い」


呟いた。


「え……?」


「いや、何でもない」


彼は少し優しい顔をした。


「君は……本当に、いい子だね」 


その言葉が嬉しくて。

私はもっとルシアンに認められたいと思った。


そして、気づかなかった。

それが——

ルシアンの「罠」だということを。




第3話を読んでくださり、ありがとうございます!

ルシアンルート、少しずつ彼の「教育」が始まっていますが……いかがでしたでしょうか?優しい指導、褒め言葉、そして頭を撫でる仕草。リディアは気づかないうちに、ルシアンに依存し始めています。

ガブリエルの「お前を見る目が怖い」という言葉が、不穏な空気を醸し出していましたね。リディア自身も「依存……?」と一瞬気づきかけましたが、ルシアンの優しさに安心してしまいました。

この先、ルシアンの本当の目的は何なのか……?そしてリディアは彼の「罠」に気づけるのでしょうか……?

次回もお楽しみに!

皆さまの感想・ご意見をお待ちしています!

今後、どんなエピソードが読みたいですか?

•ルシアンの本性が見えるシーン

•他キャラとの対決・嫉妬シーン

•もっと甘く危険な展開

•リディアが真実に気づく展開

ぜひ教えてください!参考にさせていただきます。

それでは、次回もお楽しみに!

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