08 メール=難しい
「…どうしよう」
私はとりあえず、家の中に入る。
「ただいま」
自分の部屋に移動しながら、今のやり取りを整理している。
「…いつ、メール送ればいいのかな」
因みに、私は今、一人暮らしである。
母親は、私が幼い頃に、事故で亡くなってしまった。
父親は、私が中学生の頃から単身赴任中で、外国にいる。
多分、今はアメリカにいるはずだ。
更に、一人っ子なので、兄弟や姉妹はいない。
家に帰れば、いつも一人だ。
中学校までは祖父母の家にいたけど、高校生からは自宅で一人暮らししようと決めていたから……。
まぁ、そんなことは置いといて……。
夕食の用意をしながら、メールのことを考える。
「ん~、今じゃなくて、夜かな。よし、夜にメールしよう」
そして、今日の夕食はシチューにしよう。
まだ、この前使ったルーが残っていたはず……。
―神林宅
そこは、高層マンションの一番上だった。
ガラス窓から見る外は、一面ビルと少ししか見えない空がある。
その頃、永野聖は悩まされていた。
―那子からはいつ、メールが来るんだ……。
そこへ、従兄の神林耀がやってきた。
聖が通っている学校の、科学の教師をしている。
そして、斎条加奈とは遠い親戚。
しかし、聖とは親戚でも何でもない。
説明はややこしいので、ここではしないが、何れしよう。
「お前、何悶えてんの?発情期?」
「うっせぇな。テメェは黙ってろ、このロリコン万年発情期が」
「うっわぁ、下宿させてあげてる家主に、その言い方は無いんじゃないか?」
2人の顔には怒りマークが浮かんでいるように見える。
黒いオーラが2人を纏っている感じもする。
「あ、あれだな。那子ちゃんだろ」
バシィッ!!
耀の顔に鞄が投げつけられた。
「痛ってーなぁ!オイ!」
「あぁ、悪ぃ。手が滑った。」
聖は明らかに、見え透いた嘘をついた。
「手ぇ、滑るわけねぇだろ!お前、今、何も持ってなかったぞ!」
「いいから、飯作れよ」
「はぁ?今日の飯当番はお前だろ」
「作る気ぃ、失せた」
それからというもの、茶番劇のような喧嘩が続いた。
―嵐宅
時刻は9時を回っている。
「うぅ、どうしよう……」
那子は携帯を手にし、苦悩していた。
聖にメールするかしないかを、まだ悩んでいたのだ。
「よしっ」
那子は意を決して、「新規メール作成」の欄で、決定ボタンを押した。
結構編集して、短くしたりしてます。
そんなことは、お構いなく読んでいただきたいと思っています。
よろしく、お願いします。




