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純粋少女と不良少年  作者:
不安 と 黄昏
43/51

42 順風満帆。順調、順調






冬休みが終わり、新学期が始まった。

那子(なこ)とは順調に、お付き合いをさせて頂いております。

まだ二週間しか経ってないんだけどな……。


(ひじり)君、帰ろー」

「ん」

「ちょっと待てー」


今日も一緒に帰ろうとしていた矢先に、奴に呼び止められた。


「…何だよ、(みね)

「那子ちゃーん、ちょっとコイツ借りるわー」

「わかったー」


俺達はこそこそと教室の隅で耳打ちするように話す。

話があるなら、休み時間にでも話せばいいものを……。


「何だよ?」

「お前さー、那子ちゃんとはどこまで進んだんだよ?」

「聞いて驚け、キスまでだ」


それも、付き合う前に不意打ちされたキスのことだ。

もう、あれから数ヶ月は経っている。

付き合ってからは、実はしていない。

付き合い始めたのは、約二週間ぐらい前だからな。


「嘘っ、永野(ながの)君はプレイボーイだと思っていたのに」

「うわっ、斎条(さいじょう)!?」


いつの間に隣に来たのか、斎条がいた。


「でも、まぁ、キスぐらいなら、許すわ」

「那子と何かしらするごとに、何故お前に許しを()う必要があるんだ?」

「だって、心配なんだもの。那子のお父様にもお願いされちゃったしね。

 そう言えば永野君、お父さんに会ったのよね?」

「あぁ、まぁな」


那子に告白された翌日、那子に呼び出され、那子のお父さんと会ったのだ。


「で、どうだったの?」

「那子から聞いてないのかよ」

「だって、聞いてないもの」

「聞かないんだな……?」

「そんなに不思議なことでもないでしょう?何でもかんでも那子に聞いたりしないわ」


まぁ、それもそうか。と思ったから、那子のお父さんとのことについて話すことになった。


「ただ、何か、簡単な質問をされただけだったぜ?」

「その質問はね、永野君」

「お、おぉ……」

「その人が本当に那子の彼氏に相応(ふさわ)しいかテストする為の質問なのよ……!」

「何ぃぃいい!?那子ちゃんのお父さんは、そんなに厳しいのですか!?」


いつの間にか、峰の斎条に対する態度がかなり下手になっている。

しかも敬語かよ。


「特に那子のことになったら、すごいわよ」

「過保護って、わけでもないんですよね?」

「まぁ、奥さんが亡くなってるわけだから、娘を溺愛(できあい)することは不思議でもないわよね」

「あぁ、そうだな」

「ところで、聖はなんて質問されたんだ?」

「そうだなぁ……」


回想するとしよう。







那子の家に入ったら、リビングに通されて、ソファにはお父さんが座っていた。

挨拶もそこそこに、俺はお父さんの向かいに座った。


「那子は自分の部屋にいなさい」

「うん、わかった」


そして、お父さんは単刀直入に、


「那子のことは好きなのか?」


と、聞いてきた。

だから俺も、正直に答えた。


「はい、勿論です」

「どれくらい?」

「那子の為なら死ねます」

「那子のどこが好きなんだ?」

「全てです」

「デートはしたのか?」

「はい、しました」

「那子とはどこまで進んだ?」

「キスまでです」

「そうか、なら許そう」

「ありがとうございます」

「ところで、君の髪は地毛なのか?」

「いいえ、染めました」

「何で、染めたんだ?」

従兄(いとこ)に強制的に染められました」

「理由は?」

「高校生になるんだから、これぐらいやっておけ、と言われました」

「染め直さないのか?」

「そうしたら、従兄にまた染められます」

「…そうか。ところで、喧嘩はしているのか?」

「もう、していないです」

「今まではしていたのか?」

「売られたから買っていた、って感じです」

「ところで、那子を幸せにできることが、君にはできるのかな?」

「はい、必ず、那子を幸せにします」


ここら辺で回想終了。







「何だ、それ。那子ちゃん検定か何かかよ」

「会話って言うよりも、何かの面接みたいね」

「仕方ないだろ、緊張してたんだよ」


もう、冷や汗がヤバかったんだからな。

見た目の優しそうな感じとは違うんだからな。

オーラとか雰囲気が怖いんだぞ!


「へぇ、聖でも緊張するんだな」

「…おい、峰。それ、どういう意味だ」

「え?何かマズいこと言ったか?」

「そうして、2人の溝は深まっていった……」

「不吉なモノローグを付けるな、斎条」


でも、その後、何とか那子のお父さんとは和解した形になった。

冬休みが終わらないうちに、また出張先に行っちゃったけど。


「ねーえー、終わったぁ~?」

「あぁ、終わった、終わった」

「あ、待てよ!僕等も一緒に帰るからな!」

「そうよ、抜け駆けなんて(ひど)いじゃない」

「抜け駆けって、別にいいじゃん」

「早く帰ろー」

「はい、はい」


まぁ、こんな感じに那子と、斎条や峰とも、上手くやっているつもりだ。

順調に、荒波荒風立てずに、


「皆と一緒に帰るのって、少ないよね」

「峰は部活やってるし、斎条は稽古(けいこ)があるしな」

「まぁ、帰られる時は一緒に帰りましょうよ」

滅多(めった)にあることじゃないしな!」

「峰にも彼女が出来れば、いいんだけどな~」

「それは嫌味か?嫌味なのか!?」


他愛のない話をしながら。











回想のシーンのモノローグ少ないけど、そっちの方がいいかな?

全体的にもモノローグ少ないけどね。

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