18 夏だ!海だ!!青春だ!!!
ギラギラと太陽が照りつける中、俺たちは今、海にいる。
「夏だ! 海だ!! ビキニだ!!!」
「うるせぇっ!」
俺は従兄―耀を蹴り飛ばした。
海に来ているのは、耀がここに来る用事があったからだ。
ついでに夏休みなので遊びたい。というのが、俺たちの本音でもある。
そして、那子と斎条が行きたいと言うので、俺が耀に頼んだのだ。
それにしても、暑い。
暑すぎる。
「って、ゆっかさぁ、聖」
「…んだよ、変態」
「両手に花だよね。 女の子2人、連れてきちゃってさ~」
「あ゛ぁ゛?」
「どーせ、夜這いしてニャンニャンする…」
ドカッ バキッ
耀の頭にはコブが2つできていた。
勿論、俺が殴ったからだ。
手が痛い。
「聖君! 早く行こっ」
「那子、走ったら危ないって」
声をかけたのは、那子だ。
そんな那子を、斎条は嗜める。
仲の良い姉妹に、見えなくもない。
そして、その2人の姿は…。
水着だ。
海に来たのだから、当たり前だが…。
俺は那子の水着を見て、凍結した。
「…ぇ」
「おぉ~、ボリュームが…」
ドスッ
近くの海の家に更衣室があるので、そこで着替えてきた2人の水着は、あれだ。
斎条は水着の種類で言うと、"タンキニ〟というものを着ていた。
横からの露出がワザトらしい様な気がしなくもない。
那子は、意外と露出が…。
「欲情しそう?」
「うっせぇ…」
斎条が横で何かいってきたから、俺は一言だけ言い放った。
まぁ、それは無視しよう。
那子の姿は、何と言うか、エロイ。
ビキニなのだが、可愛らしいピンクの水玉柄の水着なのだが、エロイ。
「……」
「聖君、どうしたの?」
「ぃゃ…」
「あ、聖はねぇ~…。」
耀は俺をチラッと、盗み見て言った。
「那子ちゃんのビキニ姿に、欲情してるんだよ♪」
ドゴッ
俺は耀に鉄拳をくれてやった。
当然だ。
「折角、海に来たんだから、喧嘩したらダメだよ!」
俺はそう、那子に言われたので、とりあえず耀から離れた。
それからまた、海に行こう。と、誘われた。
「…ぁ~。 斎条と行って来いよ。 俺、ここにいるから。」
「え?」
那子はまたあの、きょとん…。とした顔で俺を見た。
「さぁ、那子、行くわよ」
「聖君もいないと、楽しくないよぉ」
那子は斎条にズルズルと引きずられていった。
「俺は那子を見て、ついアソ…」
ドゴォッ!!
俺に代わってナレーションをしようとした耀に、またもや脳天に鉄拳をくれてやった。
「謝罪は?」
「どーも、すんませんっした」
「……」
誠意のこもっていない謝罪に、少しイラッときたが、手が痛いので止めておこう。
「いや~、ここには水着美女が沢山いるね~♪」
「なに、双眼鏡持って、ヨダレ垂らしてんだよ」
「垂らしてませんっ」
那子たちが海で遊んでいる間、俺はパラソルの下で、コイツと2人っきりだ。
そして、コイツはたびたびナンパされる。
所謂、逆ナンというヤツだ。
―あぁ、楽しくない。
「あの人はEぐらいかな」
「見定めんの、やめろよ」
「…あ、那子ちゃん達がナンパされてる」
「あ゛ぁ゛!?」
「ほら、あそこ」
ホレと言いながら、耀は近くの岩場を指差した。
そこには、那子と斎条が、いかにもチャラそうな男に囲まれていた。
無意識に、俺の体は動いていた。
「おい、聖!」
俺はそこまで走っていった。
砂で足がとられるが、全速力で走った。
「…俺も、向こう行こうかなぁ」
カッコイイとこ見せたいし。と、耀は立ち上がった。
耀さん好きだよ。
うん。
そして、聖は誰を相手にしても勝てるのだ。
すごいのだ!
裏設定があるから、ここから明らかにしていきたい…。




