98話 ラルフから見たアウレリア
これ以上話すと余計にボロが出そうだし、ここは話を変えてしまおう。ラルフさんが何か言う前に私はそのまま話し続けた。
「私、ラルフさんに聞きたいことがあったんですよね。アウレリア様がお慕いしてる人とか知りませんか?」
「お嬢が?」
ちょっと強引過ぎたかもしれないけど、アウレリア様の話題だけあってラルフさんも食いついてくれた。このままアウレリア様の好きな人を聞き出せたらいいのだけど。
「恋愛話をしている時に何度かお話してくださるですが、お辛そうで……誰だかわかれば私、応援したいんです」
「私もです!」
視線を下げて、少し悲しそうにしてみる。ケイティも乗っかってくれた。これなら相手も何かしら答えないといけないと思うだろう。
「そうだねぇ……ちょっとオレにはわからないかな。傍にはいるけど、オレの役割はアウレリア様を守ることだからね。そういう恋愛ごとの面倒までは見てないんだ」
ラルフさんは、ごめんね~と両手を合わせながら謝るアピールをしてくる。いや、でも傍にいる騎士なら何かしらアウレリア様の変化に気づいているはず。ここは、ケイティと一緒に攻めるべし。
「もしもの話ですが、誰かを目で追ってたりとかはわかりません?」
「いやあ、それならフィリップ殿下かライオネル殿下じゃないですかね」
「え!?」
「え!?」
私とケイティの声がはもる。ラルフさんは面白そうににこにこしてて、目はいつの間にか笑っていた。
「いつも二人の心配してますもん」
付け加えられた言葉に、アウレリア様の言葉を思い出す。幼馴染だし弟みたいなもんだって言ってたもんね。でも、三人とも幸せになってほしいと言ってたのに、ノクタリウス様の名前が出てこないのは意外ね。
「しかし、あの坊ちゃんも大変な恋をしたもんだよなぁ」
「ノクタリウス様のことですか?」
ラルフさんは私が首を傾げてたのを見て、わざとらしくこぼす。だから、私もそれに乗って、さっさと話を続けるように促す。
「そうそう、お嬢が一番気を遣ってるって言うのに気づきもしないし」
「ノクタリウス様のことを一番気にしてなさるんですか?」
ライオネル殿下やフリィップ殿下よりも、アウレリア様はノクタリウス様のことを気にしてるの? そうは見えなかったけど。
「ちがうちがう。”気を遣って”るんだよ。お嬢は幼い頃身体が弱かったんだよね。それで一番心配して世話してたのがあの坊ちゃんでさ、今でも世話を焼きたがるんだよな。お嬢はもうひとりでなんでもできるのに」
ラルフさん、ノクタリウス様のこと嫌いね? だからあんなバチバチしてたのね? 言い回しにラルフさんの意図がやっと見えて来た。
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