72話 城内を出入りする令息、令嬢
「実は、ドアの外でアウレリア様を目撃しまして……」
「アウレリアか。話を聞く限り彼女の精神状態は一番気にしなくてはならないからね。私の方で話をしてみるよ。もちろん深い話まではしないから安心してくれ」
「はい……」
ほっと胸を撫でおろす。フィリップ殿下なら上手く話してくれるだろう。それにしても城内に出入り出来る令嬢や子息がいるなら、そこも調べておいた方がいいんじゃないかしら?
ライオネル殿下は調べてくれると言ってはいたけど、気になるのよね。アウレリア様が毒を入れる状況も考えようによってはある。のかしら?
「あの、アウレリア様は城内に出入りされてるんですか?」
「ああ、アウレリアとノクタリウスは長い年月の付き合いで信頼がおけるし、私の仕事を手伝ってもらっているからね。城内の出入りは自由だよ。仕事関連でいろいろと資料も必要だしね。おっと、そういえばノクタリウスと仕事の打ち合わせ中だったんだ」
「兄上、その前にアウレリアと交わした契約書を見せてくれないだろうか。彼女が何を大事にしているか知りたい」
ライオネル殿下に視線で謝られた。さすがにフリィップ殿下とアウレリア様が交わした契約書を手に入れることはできなかったようだ。たしかに事情を話したのだから、フリィップ殿下に協力してもらうのが一番だろう。私は軽く首を横に振って謝罪を拒否した。
「いいよ。ただし、これは外に持って行ってほしくないから、ここで読んでいってね。私はいったんノクタリウスと話してくるから」
フィリップ殿下は鍵のかかった戸棚を開き、閉じられた資料をライオネル殿下に手渡した。ライオネル殿下が頷いて返答をするとフィリップ殿下は部屋を後にした。
私とライオネル殿下は、兄弟二人で打ち合わせをしているという机にその契約書を広げて、額を突き合わせる。
面白い、楽しい、と感じて頂けたら、
下の星マークから評価やブックマークをいただけますと、今後の活力になります!




