71話 部屋の前に居た人物
「ミシェルは魔王復活を予見している」
「なんだって!?」
そうか、フリィップ殿下は魔王を封印する力を持っているんだから、そっち方面から協力を仰げばいいわけね。二人が話している間に特に私から言うことはなさそうなので、視線を部屋にさ迷わせた。
重要な話をしているのにフリィップ殿下が入って来たドアを誰も閉めていない。私は話を邪魔しないようにこっそりとドアへと寄り、ドアを閉めようとする。人影だ。誰? 廊下を覗くと、令嬢の後姿。深い青い髪色、アウレリア様だっ。今の話聞かれた……?
私は扉を閉めて、落ち着こうと息を吐く。聞かれてまずい話、魔王についてはきっとアウレリア様もわからないだろう。それであれば聞かれても問題はないはず。私の占いについては? 説明からしてお母様とは別の力だと言ったけど、どう思われたかしら。
「ミシェル?」
訝し気に名前を呼ばれて思考の海から浮上する。どうやら話終わって私がドアの前に突っ立ったままだから不思議に思ったみたい。
「すみません、話は終わりましたか?」
「ああ、国に危機が起きるとは壮大だね。これだけでもだいぶ功労賞ものなのだけど、シルヴァレーン嬢は公にはしたくないのだよね?」
「はい。百パーセント事態が起きるかと言われても困りますし、起こったとしてもそれ以上の占いができない可能性が高いので、内々でお願いしたいです」
私が頷くと、フィリップ殿下は残念そうに眉尻を下げた。心底残念なのか、だいぶ渋ってはいたけど私の意を了承してくれる。
「ありがとうございます」
「それで、扉の前で何をしてたんだ?」
話が終わったのを見計らって、ライオネル殿下が問いかけてくる。私はちらっと扉を見る。話していいものか。でも、話しておかないと収拾がつきそうにないのよね。私からアウレリア様にその話を振ったとして、事実を話して結末のように自殺されても敵わない。
「実は、ドアの外でアウレリア様を目撃しまして……」
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