70話 兄弟は譲らない
「こうなるから話したくなかった。ミシェルを政治には関わらせません」
フィリップ殿下を見る表情は珍しく厳しい。お兄さんに対してはだいぶ甘いというか尊敬してる犬って感じだったのに、珍しく反抗的な態度だ。
「しかし、占いの力が恋愛以外でも使えるのであれば、国にとって有益だろう?」
お母様は恋愛しか占いをしない。と明言しているけど、実際に恋愛のみしか占いをしない、もしくはできないのね。だから、フィリップ殿下は、第二王子の暗殺という予見を聞いて、国にとって有益な力だと感じたに違いない。けど、この予見は実際は占いじゃないし、今後使えるものでもない。国のために使えといっても土台無理な話。ライオネル殿下が止めてくれてありがたい。
「駄目です。だいたいミシェルの占いがなくても兄上は国を治めるのに問題はないでしょう?」
「使えるものは使っておいた方が良い。何があるかわからないのだからな」
平行線になりそう。フィリップ殿下は人当たりの良い優しい顔しか知らなかったけど、国に対しての考え方は結構シビアなのね。ケイティに告白するくらいだから、国にそこまで未練はないかと思ってたけど。その国とケイティを天秤にかけてもケイティが好きというのなら、これはケイティにもいい知らせね。
「そういうことを言うなら、これ以上の情報提供は拒否します」
「レオっ!」
強気なライオネル殿下に対して珍しく大きな声を出すフィリップ殿下。どちらも譲らないという雰囲気が強い。
「あの、フィリップ殿下。この占いは母上と違って見たい時に見れるものではありません。ですので、現段階の情報提供はできますがその他については、今後いっさい見れないこともありますので、ライオネル殿下はお断りなされているのです」
私がライオネル殿下の方を味方すると、フリィップ殿下はうぅむと唸って黙ってしまう。私の気持ちを無下にするなら、今わかっている情報も提供できない。ということが伝わっているようだ。
「わかった。君の占いについては公表しない方がいいということだな」
「ご理解いただけて何よりです」
私はフリィップ殿下にスカートのすそを持って深々とお辞儀をした。さて、フィリップ殿下にはどこまでお話するべきか。自分が戦争で死ぬとか聞いていていい気持ちはしないだろうし、不敬罪でしょっ引かれても嫌だ。私はライオネル殿下に視線を投げた。どうする? という意味を込めて。ライオネル殿下は視線を受け取ると頷いてくれたので任せても良さそうだ。
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