表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
五角関係が世界を滅ぼす!? 恋愛経験ゼロの私、エセ占い師になって恋愛を正す!  作者: 桜皐ゆるり


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/161

68話 実践

 ある程度、部屋を回りやはりライオネル殿下が倒れていたのはフィリップ殿下の寝室だという結論に達した。

 私たちは、フィリップ殿下の寝室で詳細に検分をすることにした。

「絵に記されていたのはこのテーブルです。窓際からの視点で、この角度でライオネル殿下は倒れていました」

「そうだな、この席には基本俺が座ってるな。しかし、兄上が毒を入れるとは思えない」

「その後戦死していることを考えると、フィリップ殿下には何のメリットもありませんしね」

 王位継承権については二人で話がついているし、兄弟仲も悪くない。要するに、フリィップ殿下にライオネル殿下を毒殺する動機がない。

「外部の人間でしょうか……」

「そうだな。飲み物は厨房からメイドが運んできている。毒を入れるならこの部屋に来る前がチャンスだろう。ただ、毒見は厨房とこの部屋に運ばれてきてから二回、行われている。遅効性の毒は厨房の毒見で判明するだろう」

「チャンスは厨房から運ぶ時ということですね。ですが、メイドが毒見をするのであればそのメイドが入れる可能性は低いですよね?」

「ああ。城内を自由に行き来できる人間を徹底的に洗い出した方がいいだろう」

 そこは私にはどうすることもできない分野だ。ライオネル殿下に頑張ってもらおう。今のところわかりそうなことはなさそうだけど……視点を変えれば何かわかるかな?

 例えばそう、死んでたライオネル殿下の視点とか。

 ええと、たしかこっちのアングルから倒れてるから、位置はこの椅子のところ。ここから倒れてみて……。

「おまえっ――!」

「――っ!?」

 転ぶ真似をしようとして、力強い腕が私を受け止めた。いや、何してんの!? 瞠目しながら支えた本人、ライオネル殿下を見る。思ったより近くて体が固まった。

「何やってんだ、お前……」

「ちがっ、私は倒れてたライオネル殿下の視点を視たくてですね!」

「だからってそのまま倒れようとするヤツがあるか……!」

「倒れ方も実践してみたかったんですっ!」

「令嬢がヤメロ! 怪我したらどうする」

「もういいから邪魔しないでくださいっ!」

 ライオネル殿下の腕を離そうとするも上手く掴めなくて、手をばたつかせてしまう。

「暴れるな!」

「離してくださいっ!!」

「だったら体制を戻せっ!」

 口だけで言い合いになってしまう。だって仕方ない。心臓がうるさくて体に上手く力が入らない。離れたくて仕方ないのに。近すぎる。

「君たちは私の部屋で何をしてるのかな?」

 第三者の声に頭に上った血がサッと下がる。あまりに騒ぎすぎてドアが開いた音に気付かなかった。声の方を見れば、フリィップ殿下が入口で困った顔をしながら私たちを見ていた。

面白い、楽しい、と感じて頂けたら、

下の星マークから評価やブックマークをいただけますと、今後の活力になります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ