63話 占い師としての成果
占い師としての知識を使う第一歩。私はライオネル殿下と校舎の裏にある庭園へ向かい、整えられた草の中に身を潜めている。
「お前、兄上とケイティの魔法練習に入りたいならそういえば……」
「違いますっ……! 一緒に居たら意味がないんですよっ」
そう、ゲームでいう恋愛イベントが起こるのは、二人きりの時に決まっている。そして、隠れて話を聞くイベントというのはゲームならず漫画でもよくあるシーンなのだ。まあ、普通はわざわざ隠れるんじゃなくて、偶然出会ってしまい慌てて隠れるとかのがそれっぽいんだけど。そこまで忠実にしなくてもいいでしょ。
「ここで見守ることで今日、すごく重要な何かが動くんです。私の占いの腕は知ってますよね?」
「……統計的な何かと言ってたが、こんなことしてるヤツはそうそういないだろう……?」
「前世ではよくあることでしたので、そこはお気になさらず」
困惑するライオネル殿下は放っておいて、私はこの間魔法練習をした場所に視線を向ける。
フィリップ殿下とケイティが楽しそうに魔法を使っている様子が見える。ちなみにライオネル殿下にお高めの魔法道具を持って来てもらっているので、多少遠くても声が聞こえるわけで、あれ? これ完璧に覗き見だ。
「見つかったらどうするんだ……」
「そのために魔法道具持ってきてくれたんですよね?」
他にも気づかれにくくなる魔法道具とかちゃんと持ってきてくれている。ちなみに、こうやってわざと隠れてる場合、見つかる可能性は大いに高いのだけど、それは黙っておこう。
三人に対する罪悪感が芽生えたものの、頭の上を手で払ってから二人の行動に集中する。ケイティが魔法の手を止めて、横並びに座っている。
「ケイティは本当に飲み込みが早いね」
「ありがとうございます!」
「やはり、私にはもう君に教えることはなさそうだよ……」
にこにこと話していたフィリップ殿下が、少し寂し気に微笑んだように見える。
「あ、殿下もお忙しいですものね。生徒会も大変だとお聞きしましたし、私なんかに時間を使うなんて……」
「そんなことはないよ。私はこの時間が好きだ」
「…………」
「君といる時間はとても楽しいよ。君の笑顔を見る度に心が温かくなる」
知ってる人たちのいい雰囲気に声を上げそうになるけど、口元を抑えてじっとする。ケイティは顔を伏せていて、どういう感情なのかはわからない。
ライオネル殿下は気まずそうにもぞもぞしているのがちらっと横目に見える。まあ、兄弟の恋愛場面に直面してるのだから私より気まずいか。
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