62話 王族の機密事項
「魔王の復活についてそこまで詳しく記載されているのか……」
「ここまではお聞きになっておられないのですか?」
「魔王については王族のみにしか伝えられていない。それを知っていたから昔のお前はその話を濁したんだろう」
たしかに魔王についてはお母様ですら知らないかもしれない。
「この文面に出てくる勇者の剣と、魔王封印の道具は現在どなたがお持ちになられてるんですか?」
「剣は俺のモノだな。代々引き継いでる剣のことだろう。封印の道具についても兄上から俺が預かっている」
「ではきっと、その剣はライオネル殿下が戦場に立てなくなった際、フィリップ殿下に手渡した可能性が高いですね」
戦えなくなって、せめて自分の剣を託したのだろう。
「フリィップ殿下は死ぬ前に、ケイティに勇者の剣を託します。そして、ラルフさんにケイティを守るように指示していました。おかげでケイティは生き残り、勇者に剣を手渡すのです」
そして将来、勇者とともに大魔法使いとして魔王を討伐するのだ。
「封印の道具は俺が妹に持たせたんだったな」
「はい。妹様は生き残り、勇者に封印の道具を託します」
「……いいか、いまから話すことも機密事項だ。共通の目的のために共有するが絶対に漏らすな」
ライオネル殿下は私に念を押してから声を低くした。
「父と兄上だけが封印の魔法を使える。道具は緊急用に長い年月をかけて封印の魔法を込めたものだ。すぐに作れるような代物ではないし、永久に使えるものでもない」
うん、これ私聞いてよかったのかな? とっても国にとって重要な情報だ。
「ということは、魔王が復活したのは王様とフィリップ殿下が亡くなったことが原因なのですか?」
「そういうことになる」
「ヴァレリアン帝国に侵略させる条件を満たさないことが一番ですが……ライオネル殿下が戦える状況であれば戦況がひっくり返ることはないのですね」
「俺の部隊を倒せずにいたからこそ、ヴァレリアン帝国は今の休戦を望んだ。長期の戦争になるだろうが即座に魔王が復活することもないだろう。手の打ち用はあるはずだ」
「もしライオネル殿下が無事であればフィリップ殿下と王様の命も危険にさらされたりしませんしね」
そうなればアウレリア様が自死なさることもないだろう。戦争にはなるからベストではないが、いくつかのパターンがあるのは心強い。
「だがそれは、アウレリアが隣国へ嫁がない場合の保険だ。今はアウレリアたちの関係性を洗い出して手を打つことに集中しよう」
「ええ……私、まずは――」
最初にしたいこと、それからについて私はライオネル殿下と話し合った。
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