48話 ……すまない
昨日は結局家に帰されてしまって、主治医に見てもらった。問題はなさそうなので、今日も学院に登校したのはいい。目を話した隙に教科書と鞄がズタズタ。歩けば通りがかりに足を引っかけてくる。どの世界でもやることは同じなのね。最終的には、食堂でお昼ごはんに虫をぶっこまれて辟易してしまう。
さすがにひどいので、ケイティやアウレリア様とは距離を取っている。この手のものが二人に降りかかっては罪悪感があるからだ。
ライオネル殿下がいない時を狙ってくるのだから、本当に浅ましいの一言だ。
「……すまない」
隣に座ったライオネル殿下からの何度目かの謝罪。人気がない校舎の裏側で、私は空を見る。もぐもぐと、購買でライオネル殿下が買ってきてくれたサンドイッチを食べながら。
「いえ、どうせいつかはこうなってましたし」
ジュリアナ様はことあるごとに睨みつけてくるだけだが、その取り巻きが率先して私に嫌がらせの矛先を向けてくるのだから困ったものだ。
「俺の方でどうにかするという契約だったのにすまない。時間がかかってしまうが、どうにか止める」
止めてくれるというなら、嬉しいが現状ライオネル殿下がこれ以上どうにかできるとは思えない。いっそ私が突きつけてやろうかしら。やられっぱなしは今の私の性には合わないし。
「期待はしてませんが、よろしくお願いします」
遅くなった昼食を済ませて、私は立ち上がる。皮肉に対して「ああ」としか返答しないところを見ると、本当に落ち込んでいるようだ。これ以上喧嘩を吹っ掛けるのも気が引ける。だいたいあの状況になったのは私が倒れたせいでもあるしね。
「さて、気を取り直して生徒会へ行きましょう。今日こそはお仕事をします」
なんだかんだで生徒会の仕事をできていないのはたしかだ。まずは生徒会でしっかりと仕事をしてジュリアナ様が文句を言う口実を減らさせないと。
何より、アウレリア様が誰を好きなのか一番肝心なところをノクタリウス様やフィリップ殿下、ラルフさんに聞いてみないと。
「……無理はするなよ」
私の顔を見るライオネル殿下の表情はいつもの強気さがなく、どうも本気で心配されているみたいだ。なんとも言えない気持ちになる。
私は頷くに留めて、ライオネル殿下とともに生徒会へと向かった。
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