44話 ケイティの取り合い
反応したのはフィリップ殿下の方だった。
「基礎は元々できてからさらっとしかやってないし、ちゃんとわかってるかどうかのテストにもなるね」
「フィリップ殿下!?」
「優秀だと聞いているからな、教育的なこともできるならぜひ城で働いてもらいたいものだ」
まさかライオネル殿下が追い打ちをするとは。それほどケイティの魔法の実力はすごかったのだろう。だから優秀だって言ったじゃない。内心、鼻高々になる。
「おや、私の優秀な生徒をレオに取られてしまいそうだ。私は譲る気はないのだけど」
柔らかくも少しお茶目に泣いたふりしているフィリップ殿下は、生徒会では見ない顔だ。生徒会では優しいのは変わらないが、いつもきりっとして作業をしているし、指示だしのせいか声を張っている。こっちの方が素なのかしら。
「兄上の側近ですか? しかし、この力であれば戦闘能力も十分期待できるのですが」
おや、兄弟でケイティの取り合いかな? フィリップ殿下は政治関連、ライオネル殿下は戦いの指揮関連を担当しているから、どっちかにしか行けないということね。でも別に王城で働かなくてもいいわよね。
これは私も参加しなくては。
「ケイティ、私のところへいらっしゃいよ。一緒におしゃべりしたいわ」
「ミシェル様までっ!」
おろおろしていたケイティは、私の言葉に頬を膨らませる。何故私だと抗議するのかしら。
「辺境伯爵の元に行って何をさせるんだ?」
「私の専属メイドかしら」
ライオネル殿下まで突っかかってくるとは。ケイティとお話するのであればメイドが一番だと思う。気持ちのまま答えたけど、ライオネル殿下はすごく不満そうに唸った。
「これだけの力を持つ魔法使いが、どれだけ貴重かわかってるのか?」
「なぜライオネル殿下が熱くなってるんです? 平民だって馬鹿にしてたじゃないですか」
「馬鹿にしていない。平民に王族があまり関わってもいいことはないだろうと思ってだな……」
「はいはい。でもケイティは私と仲良しさんなので、私はメイドとしてほしいんですよ」
ライオネル殿下は真面目に返すから、手をひらひらとして私のは冗談交じりですということを暗に伝えた。
「ふふ、ライオネル殿下とミシェル様も仲良しですね」
ケイティが私とライオネル殿下のやり取りを見て笑う。私とライオネル殿下は同時に驚きの声を上げた。そんなことないでしょう。という気持ちがあったのに、ケイティに加勢したのはにこにこと笑顔を絶やさないフィリップ殿下だ。
「似た者同士みたいですねぇ」
「本当に」
にこにこと微笑ましそうに笑う二人に、似たもの同士はどっちなのかしら。と思ってしまう。
「さて、あんまり時間をかけてしまうとケイティがパン屋の手伝いに行く時間になってしまうよ」
一連の会話を閉めたフィリップ殿下は一歩下がり、ケイティに話題の中心になるように促した。
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