27話 今後について
私がケイティに釘を刺すと、はっとしてケイティは顔を赤くし身体を縮こませた。私はケイティをそのままにライオネル殿下に顔を向ける。
「こういう事情です。彼女はアウレリア様とフィリップ殿下の恋仲を応援したいという気持ちおわかりになって?」
「そうです! 私はお優しいフィリップ殿下の幸せも望んでいます!」
暗に彼女がフィリップ殿下への恋心がない。という旨を伝える。ケイティも肯定してくれた。ライオネル殿下は口元に手を持っていってしばらく考え込む。
「……そうか。よろしく頼む」
伝わったようで、ライオネル殿下はケイティのことを認めてくれた。けど、恋愛がそんな簡単なものだったら物語にならないのよね。本人が気づいてないことだってある。それに、ケイティがフィリップ殿下へ好意を持っているのは、ゲーム内で明かされていた。でもそれをライオネル殿下に言うつもりも、ケイティに発破をかけるつもりもない。
五角関係の解消が肝だけど、何より私の死亡フラグはアウレリア様が無事隣国へ嫁いでくれればそれで解決するのだ。結ばれないけど強い思いがある相手、相手のことで死ぬほどの心残りをどうにか消し去っておきたい。
「あ、私そろそろお暇します。家の手伝いに行かないと……!」
ケイティは心の整理がついたようで眩しい笑顔を浮かべながら立ち上がった。いつもなら帰っている時間だしね。それほどアウレリア様とフィリップ殿下のことが気になってここに駆けこんできたのだろう。
「家、パン屋なんです。よければお二人とも遊びに来てくださいね!」
元気に挨拶だけして、彼女は去っていった。残された私はライオネル殿下に席を勧め、後ろでお茶を入れて彼の目の前に置く。
「さて、ライオネル殿下。今後についてしっかりと話をしましょうか」
「望むところだ」
そう、今日しみじみと思った。何も想定をしていなかったし、婚約者としてのふるまいも、まったく認識のすり合わせができてない。このままでは協力関係としてやっていけないわけだ。
その日は結局ライオネル殿下と今後についての話し合いに終始した。
婚約については政略での婚約で問題はないこと、占い師としてのスカウトが馴れ初め、など認識をすり合わせていった。クラスでの行動については、できればクラスでは遠くに居てほしい。と希望したが、「生徒会に一緒に入っている時点で、さらに目をつけられると思うぞ。それであれば、俺が近くに居た方が突っかかってこないんじゃないか?」と言われてしまえば、もうすでに打つ手がないのだと実感させられた。ジュリアナ様の怒りの目を思い出して辟易する。なので、そこはライオネル殿下の提案の方に譲った。
一方、ケイティの扱いについては私に任せるというので、好き勝手させてもらおう。「明日、ケイティのパン屋に行ってみますわ」と、報告だけはしておいた。
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