23話 第一王子と第二王子の関係
ライオネル殿下が生徒会室へ戻ってきて、フィリップ殿下に挨拶をする。
「やあ、ライオネル来たね」
「兄上。ご無沙汰しております」
並んで見るとライオネル殿下とフィリップ殿下は雰囲気がまるで違う。同じ金髪ではあるが、フィリップ殿下は肩まで伸ばしたストレートだ。ライオネル殿下は短髪のせいかところどころ跳ねている髪をしていて、髪が太い。何よりも目の色は正反対だ。フィリップ殿下は碧眼で、優しそうなたれ目。眉も細くて、女性のように綺麗だと思う。ライオネル殿下は赤い瞳に少しツリ目だと思うし、眉もきりっとしている。要するに印象が正反対なのだ。身長は若干フィリップ殿下の方が大きいかな。
「おや? 私の弟はいつの間にそんなにかしこまれるようになったのかな」
「いつまでも子供扱いは止めてください」
仲良さげな会話をしている。フィリップ殿下はこちらまで綻ぶような柔らかい表情でライオネル殿下を見ている。これが演技とかだったらものすごい腹黒だ。ライオネル殿下が慕っているし、この猫可愛がりは素だと思うけど。
一通り弟を愛でたら、フィリップ殿下は私の方にその笑顔を向けてきた。
「シルヴァレーン嬢、改めて生徒会へようこそ。その占いの力を生かしてくれると信じてるよ」
笑顔なのにプレッシャーをとても感じる。アウレリア様にいろいろと言われたのだろう。
私は貴族の笑みを浮かべたままカーテシーで一礼をする。
フィリップ殿下は頷いて、今度はアウレリア様とノクタリウス様に本日の業務内容を聞いている。私はライオネル殿下の裾を引き、屈むように示唆する。
「今後についてもう少し話しを詰めたいんですけど」
耳元に口を近づけて小声で言う。
「わかった。時間を決めたら手紙を送る」
「はい。では、私は占いの館の営業がありますので、一度失礼します」
小声で要件を伝えあい、私はライオネル殿下から離れた。フィリップ殿下たちにライオネル殿下が私が占いの館に戻ることを伝えてくれたので、私は三人にお辞儀をする。
「それでは、私は占いの館におりますので、ご用がありましたらおいでください」
そういって生徒会を後にした。
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