表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
五角関係が世界を滅ぼす!? 恋愛経験ゼロの私、エセ占い師になって恋愛を正す!  作者: 桜皐ゆるり


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

153/161

152話 ご褒美

 その作戦が見事に成功したのだ。

 レオと私が乗っている影は、元魔王の黒龍だ。大きな口を開き裁判長や隣国の人間を威嚇している。レオは約束を守ってくれた。

「さて、ヴァレリアン帝国。我が名はライオネル・カイリス。カイリス国第二王子だ。俺の妻の予言を聞いただろう? 俺が引導を渡してやる」

 レオの声に合わせて、黒龍が大きな声で唸り声をあげた。地響きのような音は人を恐怖に陥れるにはもってこいだった。

 まだ婚約者なんだけど。と言いたかったけど、ここで口を挟んで場の雰囲気を壊したくはなかった。

 裁判長は凍り付いて、後ろの高台に座っていたヴァレリアン帝王に全員の視線が集まる。

「それが嫌なら、交渉の席に立ってもらおう。妻は返してもらう」

 手綱を引いて、レオは黒龍を乗りこなす。黒龍はレオの意を汲んで方向転換をして破りさったステンドグラスからまた外に羽ばたいていく。尻尾で裁判長とノクタリウスを払ったのが見えて、笑ってしまった。

 どんどんと隣国の騒がしい裁判所は遠のいていった。黒龍が高く、高く空へ上っていく。風が気持ちいい。

「ふふ……」

「嬉しそうだな」

「当たり前です! やっぱりレオは魔王を倒してくれましたし、隣国のこともこれでどうにかなりました。嬉しいに決まってます」

 興奮冷めやらないまま、口をつく。身体を少し話して、レオを見上げた。はたっと目を瞬いた。

「頑張ったかいがあったな」

 笑う顔に、ところどころが傷があって手を伸ばす。そっか、魔王を倒すんだもの、生半可なことじゃない。よく見たら服だって焼けこげたりしている。

「大丈夫でしたか?」

 頬に触れても痛がる様子はない。でも、無茶させたよね……。

「ああ、誰も致命傷は受けていないから安心してくれ」

 その言葉にほっとする。みんな無事だということだ。良かった。

 触れていたレオの顔が近づいてきて、おでこ同士がぶつかる。触れている体温を意識して、温かいことに心臓がじょじょに早くなる。無事でよかったという安堵も混じって、頭の中で考えがまとまらない。

「ミラからのご褒美がほしい」

 赤い目が間近で訴えてくる。ことりと喉が鳴った。

 ご褒美って、なに? 私ができることでいいの?

 困ってしまって、手で触れた頬を指先で撫でる。指先が金色の髪に触れて少しくすぐったい。

「ご褒美って……何がいいんですか?」

 赤い瞳をじっと見て問いかけた。二人きりだった時のことを思い出してしまって、落ち着かない。思いだしたせいで、なんとなくそういうことだろうと、答えはわかっていて心臓がもっと大きく鳴り始めている。

「口づけしていいか?」

「……はい」

 どっと顔が熱くなったけど、わかっていたから、大丈夫。と自分を落ち着けて、私は目を閉じた。

 軽く触れられて、リップ音がする。目を開けると、蕩けるように笑ったレオの顔が間近にあって、心臓がどきどきした。

 じわっと手が温かくなって、嬉しかった。

「レオ――」

 だから、今度は私から唇を重ねた。すべてが終わったのだと、やっと感じ始めていた。

面白い、楽しい、と感じて頂けたら、

下の星マークから評価やブックマークをいただけますと、今後の活力になります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ