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128話 獅子の髪飾り

 手を引かれながら市街地へ行けば、休日のせいか人もお店も賑わっていた。

「わぁ、すごい人ですね!」

「雑貨やら日用品やら売ってるからな。気になる店があったら立ち寄るでいいか?」

「はい!」

 手を繋いだまま人ごみの中へと入る。本当にいろいろと売っている。美味しそうな食べ物の匂い、きらきら光るネックレスや指輪を売ってるお店、何の用途かわからない置物があったり、子どもが喜びそうなおもちゃが売ってたり、視線を動かせば様々なものが目に入る。

「何か気になるのあったか?」

「いっぱいあって悩みます。レオは?」

「じゃあ、何か食べながら回るか。食べ方わかるか?」

「舐めないでください、前世ではもっと高度な食べ方をしてましたから」

 食べ歩きは今世でも前世はないけど、仕事しながら食べたりとか、立ったまま食べたりとかはしてたんだから、大丈夫。零したりしないはず。

 ライオネル殿下は串焼き、私はいちご飴を買って食べながら歩く。お店を順に見て回って、可愛い雑貨をアウレリア様やケイティにお土産で買ったり、剣飾りをライオネル殿下がフリィップ殿下に買ったりして、とても楽しかった。

 ふと、髪飾りが売っているお店が目に留まった。今日は髪飾りもアクセサリーもしていないので、寂しい恰好なのだと思いだした。

「どれか気に入ったのがあるのか?」

 自然と足が止まったようで、ライオネル殿下が後ろからそのお店を覗き込む。獅子の髪飾り、アクセントに赤い宝石がついている髪飾りが気になる。というか、ほしい。けど、ここでこれを強請るのは……勇気がでない。だって、まるで好きって言ってるみたいじゃない。

 もう少し、こう違うような物にしないと……。

「お嬢ちゃんお目が高いねぇ。そっちの獅子の髪飾りはこの国も紋章から取ってるんだよ。土産に一つどうだい?」

 んぐぅ。先に視線を逸らさなかった私の馬鹿っ! 勧められちゃったじゃないっ。

「じゃあ、それを一つ」

 ライオネル殿下はいとも簡単に買うことを決めてしまう。待って、まだ私何も言ってない。でも、ほしい。止めないとと、ほしいという気持ちが葛藤する。

面白い、楽しい、と感じて頂けたら、

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