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11話 どうして私と貴方の婚約になるのですか?

「お前に協力を仰ぎたいのは俺の兄の恋愛模様についてだ。お前も知ってる通りいろいろな噂があってな。それが事実かどうかを見極めたい」

 ある意味私の目標に最適な条件だった。でも、第一王子フィリップ殿下の恋愛模様と私との婚約がまったく結びつかない。

「それがどうして私と貴方の婚約になるのですか?」

「恋愛模様の状況を報告してもらいたいが、今のお前は兄上とも、まして噂になっている侯爵令嬢、平民とも接点はない。だから、お前には兄上が運営している生徒会に入ってもらう。そこならお前がメモしていた噂の元になってる人物が多くいる。平民の保護も活動の一部になっているだろうしな。ただし、いくら辺境伯の娘だからといって生徒会に入るのは困難だ。生徒会長の認証制度があるからな。だから、婚約を機に俺も生徒会へ入る。その俺の手伝いとして生徒会に入るよう申請するわけだ」

 生徒会へ入るための婚約ね。たしかに生徒会へ入ることができれば、五角関係の人間と接点は持てる。後はそこから関係性を築いていけばいい。私にとってもいい条件だ。

「お前の占いを見たが、状況を把握してからでないと力を発揮できないだろ?」

 たしかに、漫画やゲームに当てはめるにしろ状況をしっかりとわからないといけない。曖昧な状態や一方からの情報で判断できない場合は日を改めてもらうこともある。そんなことまで調べているのね。

「たしかに生徒会に入るのは、私にとってもありがたいです。が、婚約ではなく貴方が裏で推薦するのではいけないのですか? 私は貴方と手を結んだと表沙汰にされるのはあまり好ましくありません」

 第二王子派閥に入ってしまうとそれこそ五角関係で一番重要な侯爵令嬢――アウレリア様と良い関係を結ぶのが難しくなる可能性がある。それに、私のトラウマである第二王子派閥の赤い髪の侯爵令嬢ジュリアナ様が頭にちらついて、恐い。

 だから、はっきりと抗議の意味も込めて言った。

「派閥について気にしてるなら無駄だぞ」

 私の言葉にライオネル殿下は紅茶を飲みながら、一番気にしている部分を否定する。無駄なわけがない。すでにその派閥のせいでいろいろ大変だったんだから。

 第一王子派に霞色のご令嬢って影で言われてるのを知ってる。綺麗な銀髪だからとか表では言ってるけど、本音は霞の中で迷ってる人を指して、迷走しているご令嬢と言われているんだからっ。中立派と第二王子派をうろうろしてるって見られてるみたい。そのせいで友達はできなかった……。

 悔しさも相まって、八つ当たり気味に冷たい声が出た。

「ご説明いただいても?」

「俺はすでに王位継承権を放棄しているからだ」

 頭にすんなり入ってこない。王位継承権放棄って、どういうこと? ゲームでも第二王子についてあまり触れられてない理由ってそういうこと?

面白い、楽しい、と感じて頂けたら、

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