102話 ラルフの印象
「ラルフの印象はどうだ?」
ラルフさんの最初のイメージと乖離があるところといえば、ノクタリウス様とのやりとりだ。どちらも相手を威嚇しているように見えた。
「そうですね、ノクタリウス様と相性がよろしくないようで」
「お互いあまり好ましく思ってないみたいだな」
認識に齟齬はないようだ。でも、あの飄々としたラルフさんがアウレリア様のことになると少し意固地になるというか、感情を見せてくるのよね。
「ラルフさんって、思ったよりアウレリア様好きですよね」
「ああ。ラルフはアウレリアに拾ってもらって専属にまでしてもらってるからな。恩人であれば過保護にもなるだろ」
あの二人って過保護VS過保護だから仲悪いのね。納得。
恩人に悪い虫がつかないように威嚇してたと取れば、あの態度もわからなくもないか。他はケイティときゃぴきゃぴしてた以外は普段と変わらず、のろりくらりとこちらの様子を見ながら対応されたイメージね。
「結局、考えてることがいまいち読めませんわ」
「煙に巻くからな」
「会話では見事に煙に巻かれてしまいましたわね」
どんどんとずれていく会話だった。結局ケイティが可愛かったわ。という感想しか浮かんでこないので、しょうもない。
「今日は尾行がバレてしまうし、新しい情報も特になかったように思いますわ」
「そうだな。収穫としてはいまいちだった」
そう、何度確認してもラルフさんから目ぼしい情報が出てこなかったのよね。これは絶対にラルフさんが意図的に情報を出さないようにしてるってこと。
「逆に、それだけラルフさんが警戒しているということですわ」
「騎士として主人を守るのは当たり前だ。滅多なことでは何もこちらに掴ませないだろう」
ライオネル殿下も頷いて同意する。一回ですべてを引き出すのは難しいだろう。
「こちらは手数を打つしかありませんね」
「占いで使っているという法則をいくつも使うのか?」
「はい。よくあるシュチュエーションをいくつか試しましょう。何かヒットするかもしれません」
「……変なことに巻き込まれなければいいけどな」
不穏な一言に私は眉を顰めた。先に不安を口にする行為は危険だ。
「それ、フラグって言うんですよ。殿下」
「フラグ……?」
ライオネル殿下が訝し気な顔をしてたけど、説明してもわからないだろうからスルーすることにした。
「次の予定ですが、明日の放課後、教室でひとつ試してみましょう」
「わかった。集合は――」
家までの距離はさほど遠くはない。明日の予定を打ち合わせしていれば、私の家に到着したのだった。
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