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賢者の魔法陣~繋ぐ繋がる異なる縁~  作者: いわな
第一章 運命の人
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第二十二話【テレシー:魔法陣の賢者】

 

 タケユキさんが、連れて行かれちゃう……


 どうしてこんなことになっちゃったの?

 やっと、二人でお出かけできたのに。

 ミリネラ様に勧められて、トルグ様にもオーリー先生にも応援してもらって。楽しい一日になるはずだったのに……


 背の高い、青いマントの人がタケユキさんを抱えて歩いていく。追いかけたいのに頭がクラクラして立ち上がれない。


「ちょっと待って、お兄様! もうっ、あなた、この子を港の保安所に連れてって! 一般人のふりをするのよ!」

「はっ‼」


 フードの女の子が別のフードの一人に指示を出してる。

 この子は誰? 本当にタケユキさんを迎えに来た人?


 ──ソンナワケ…ナカロウ


 あの子があの人を追っていく。他のフードの人も走っていく。その先にあるのは──船!?


 ──トラレテ、タマルカ…アレハ、ワガ……


「やれやれ。おい娘、寝てるな? まあいいか。我々は先代のような愚は犯さん」


 ちょっと! 触らないで‼


 ──シン…ク……ジン、カゼ……


「わっ!? ──ぐえ」


 あれ? 近づいてきたフードの人が吹っ飛んじゃった。

 私、何したの?

 ああっ タケユキさんが船に!


 ──動キヅライ……お前は少し引っ込んでろ!


 え!?


「……神属性魔法陣、風を成せ!」


 いつの間にか右手がポケットの神石を取り出して握り込んでいる。そして人差し指で光る絵を描く。これって、ミリネラ様が研究してた魔法陣!?


「魔属性魔法陣、火を──くそう、弱い!」


 今度は左手に魔石!?

 何が起こっているの!?


「主導権を全部寄越せ! 船を止められんだろうが‼」


 私の口で喋ってるのに私じゃない!?


「ええい、大人しくしてろ! 我が妻が連れ去られてしまう!」


 ああっ、船が出てしまってる!

 お願い! 止めて‼

 ──って、妻!?


「よし! 魔属性魔法陣、火を成せ! 風よ、火よ、船を止めよ‼」


 二つの魔法陣が(くう)で重なり、ボッと燃え上がった火が風を纏わせ飛んだ。そして、船のマストに──


 キャーーーーーっ‼

 タケユキさんが乗っている船に火をつけるなんて、なんて事するのバカバカバカぁぁぁぁ!


「はっ!? 私……」


 さっきまで頭に響いたり勝手に喋っていた何かが黙った。けど、それどころじゃないわ! 船が燃えてる! 

 タケユキさん‼

 タケユ…………


 くらりと頭がくらんだのが、その時の最後の記憶です。

 倒れて頭を打った気がします。


 それでも覚めないほどの眠気が回りに回って──私は眠ってしまったようです。



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