普通男子小学生のぼくが親友の美少年DSに膝枕されて鼻血を極限までガマンした結果ひまわりの花が咲きました。
この作品は「なろうラジオ大賞4」の参加作品です。
千文字と超短いのはルールなのですごめんなさい(><)ノ
「N、気分悪い?」
親友のK君がN――ぼくの顔を下からのぞき込むように見上げてくる。くっ、また鼻血が出そうだ。
心配げな表情がぼくを苦しめる。やはり何かの病気なんだろうか。ぼくはもうすぐ死んでしまうのだろうか。それともこれがクラスの女子共が夢中になってる〝恋愛〟というやつなのだろうか。まさかあり得ない。ぼくにそんな大人なことはまだ早い。それにそもそもK君は男子で、男同士でそんな気持ちをぼくが抱いていると知られたらソッコー絶交間違い無しぼくはショック死だ。
この秋にK君が隣町の小学校に転校しても親友のぼくらは相変わらず一緒に遊んでいる。二人はお互いにピッタリな相棒でゴールデンコンビなのだ。それなのに信頼を裏切ってしまっているようで心が苦しい。確かに綺麗な顔立ちだけど大切な親友で同じ男子なのだ。ぼくにそういう趣味はない。それなのに……
じわっ
鼻の奥に感じる〝鼻血〟。K君で一切エロいことを考えていないと神さまに誓えるのに鼻血が出てしまうのだ。ぼくの体はぼくの意思に裏切り行為を働くようになってしまった。
もうK君もぼくのヘンタイ性に気づいているだろう。K君に側に寄られると鼻血を出してしまうぼくのことを呆れているだろう。
「N、また鼻血が出そう? ムリしないで横になって休みなよ。ほら膝枕」
こっちの気持ちも知らずにさ。君の膝に頭を乗せたらぼくはもう終わりだよ。というか男同士で膝枕はない。それともこれはぼくに対するテスト?
「ほら早く。ほら」
――ああもう! K君のその表情、色っぽすぎるよ!
ぼくの限界はすぐそこまで来ていた。ぼくの頭が柔らかでサラっとした薄い皮膚の太ももに委ねられる。もうだめだ。いや、〝もうだめだ〟がダメだ。ぼくはこれ以上鼻血を出してK君の信頼を損なうわけにはいかないのだ。見上げればすぐそこにK君の綺麗な美少年顔がある。何も見ないように目を閉じる。熱いマグマが噴火寸前だ。ぼくは心を落ち着けようと普段世話しているひまわりの花壇を必死に想った。
ぶしゅーっ
「うわーーっ、何!?」
K君の叫びにぼくが目を開けると、ぼくの鼻から黄色の花と花びらが噴き出していた。ひまわりの花だ。ぼくの鼻から血ではなくひまわりの花が噴き出していた。
「ははは。何これ。手品? すげーよN! ほんとスゲー!」
なんだこれ……夢を見ているのだろうか? K君とぼくは、高く噴き上がるひまわりの花血をいつまでもいつまでも見続けたのでした。
(後日談)K君が実は女の子だと判明するのは別の話である。
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