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クソガキ絵師VTuberと図々しい室長

『つ・づ・き♡』

『おえっ』

『.....♡』

『バ、お姉さまのお声が聴けて大変吐きそうです』

『…』

「じゃあ、ママって呼んでよ」


「え!?」

『ほーら♡』

「ママ…」

「これからずっとね」


 授業が終わり、先生の号令で挨拶をする。室長はこっちをじっと見て机を指差す。


「ママ!その絵ちょうだい!」

「室長ってこんなにも図々しかったんだね。知らなかった」

「もう、逆になんでママはそんなに意地悪するの?」

「意地悪じゃないし。ガワ一つと絵一つで◯3万くらい稼げるのに棒に振る方がおかしいから。室長は◯3万の札束をシュレッダーに掛けられる?」

「◯0万なんて私の銀行に入ってる総額超えてるよ。てか、絵以前に数学のプリントじゃん!何売ろうとしてるの!」

「これ明日提出なんだけど、何貰おうとしてるの?」

「ぐ、いつも出してないじゃん!」

「二人とも、仲良くしてるのは良いけど次移動教室だよ」

「ち、持ってけ泥棒」

「じゃ、貰うね」

「泥棒は嘘つきの始まりなんだぞ」

「ここにサイン貰っていい?」

「室長ってもっと真面目な大人しい人だと思ってた」

「私はママをもっと優しくて静かな僕っ子だと思ってたよ」


 室長とぼくは笑い合って次の授業の準備をする。


「さっき何でもするって言ったよね?」

「エッチなことは…ちょっとなら駄目じゃないこともないけど」ボソッ

「ん?とりあえず、これDiscordね」


たちつてと

“◯3万+サイン分苛められて貰うから”

白谷 瞳

“覚悟しときます”

たちつてと

“あ、あとVTuber用の別垢作っといた方が良いよ”


「へぇー、白谷瞳って名前なんだ」

「もしかして知らなかったの?」

「室長で良いじゃん」

「ママ、私は瞳って呼んでほしいな~。目きらきらー」

「お前さー、ぼく視点だと、プロイラストレイターのぼくに無償でガワ作らせて、絵を一つ盗んでるんだからな?可愛いって得だよな。男だったら問答無用で断ってたよ」

「か、かわ、」


 「可愛い」に反応して、室長の顔が赤くなる。言われ慣れてない?まあ、現実そんなもんか。可愛いなんて親か女友達かナンパ野郎以外言われる機会なんて無いわな。あれ?ぼく毎日言われて…、気にしないことにしよう。とりあえず、室長の弱点一つ発見。


「室長は可愛いもんな。可愛い室長の頼みだったらしょうがないなぁ。でも無償で受けるのもプロとして駄目だと思う。なので5万円ね」

「か、可愛いって、」

「イチャイチャしてるとこ悪いけど早く出てよ。鍵閉めなきゃいけないんだけど」




「社長、5万にまけて貰いました!」

「そう、怖いわね」

「優しい人ですよ?」

「あの子は悪魔よ。前にも頼んだのだけれど、許容予算ギリギリまで粘られたわ。これ以上上げようとしたらこっちからキャンセルしてやるってところで値上げを止めたから引くに引けなくなっちゃったの。仕事は速くて完璧なのだけれど…」




―――てとに搾り取られて描かれたモデルのVTuber


「これが貴女の新しい姿よ」


 面接から数週間、私に念願の合格通知が届き、会社に契約書類など諸々を貰いに来たというわけです。そして、帰り際、サプライズ気味に私の身体を見せてもらいました。


「うわー、可愛い!!めっちゃ可愛いですね。これが…私…」

「まあ、これくらいの出来じゃなきゃ困るけどね」

「何か言いました?」


 新しいガワが私には勿体無いくらい可愛くて、魅入っていて、社長が何て言ったのかが耳に入らなかった。口が動いたのは解ったけど。


「何でもな、…くはないわね。貴女も知るべきよ」

「な、何ですか。ちょっと怖いですよ?」

「実はね…このモデル一つ、◯◯◯万円なの」

「え…」


 私は驚き過ぎて、声も掠れてしか出ない。◯◯◯万円!?私が奮発して買った車より…いや、これでお金を稼ぐんだ。頑張るぞ!


「貴女にはこの姿でこの企業のエースVTuberになりなさい。トップとして企業を引っ張るのよ」

「は、はい!」

「そうね、ファーストインプレッションで強烈に記憶に残るようにリアルで使うと恥ずかしい語尾とか付けましょ。あと、モデルにあった一人称も考えましょうか…」

「は、はぃ…」

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