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リリィは不老不死の魔女のようです  作者: パンダ小太郎
第二章 吸血族の里
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第四十七話△溢れた笑み




会話が多く、読み辛いかもしれません…。

気合いで読んでください( ̄^ ̄)ゞ






「………!!」

「……!」


「…?何…?」


雨が降り注いでいる小屋の外で誰かの声が聞こえ、私は目を覚ます。姉によれば、この小屋の周辺には何もないはず。


あたしは外の様子がどうしても気になり、外が全く見えない窓の代わりにゆっくりとドアに近づいた。


耳を澄ませ、外の様子を伺う。激しい雨音とともに複数の足跡がゆっくりとこちらに近づいてくる。姉はいつも一人で来るはず。


どうしよう…!姉に誰にも会ってはいけないと言われているのに…!に、逃げる?ここから出る?でもどこに行けば…。


あたしが慌てて考えているうちにゆっくりとドアが開いた。あたしは咄嗟に小屋の奥の隅に身を隠した。ドアの方から誰かの話し声が聞こえる。


「……?誰もいないの?」


「ほら言ったじゃねぇか。今だけ雨宿りさせて貰おうぜ。」


「とりあえず、服を乾かそうか。ビショビショだ。」


「でも、こんな小さな小屋の中で焚き火なんて出来ないし。自然乾燥か。……時間かかるし。寒いし。最悪じゃん。」


「おい、文句ばっかじゃねぇか。おい、飯だ、飯。」


「あんたもおいと飯ばっかりじゃん。」


「ぬぁんだとっ!おいっ!」


「ほらまたっ!また言った!」


「はぁ…。どっちもどっちだ。」


女の人の声と、二人の男性が大きな声で話し合っている。ソッと顔を出し、物陰から様子を伺う。


姉からの言いつけよりも、自分の唯一安心できる小さなスペースに知らない人がズカズカと踏み込んでくることに強い怒りを覚えた。


驚かしたら、帰ってくれるかな。嫌だな。ここに入られちゃうの。


あたしが考えを巡らせている時、視界の端から突然青色の何かが横切った。


「……ッ!」


あたしは思わず背中を壁にぶつけ、大きな音を立ててしまった。


「何ッ!?誰かいるの?」


「誰だッ!?」


「待て!二人とも大きな声を出すな!……女の子?人間か……?」


「あれ…?ここあなたのお家?」


「んなわけねぇだろ!こんな小さな小屋の隅に嬢ちゃんが一人!…嬢ちゃん、迷子だろ?」


「ちょっと黙ってろ!女の子が怖がってる。」


「よぉし、俺がやる。嬢ちゃん、俺ら怖くねぇぞ~。」


「あんたの顔じゃ怖がるでしょ。私がやる。ほら、こっちおいで~。」


あたしは長い間一定の人としか話しておらず、その上姉の言いつけを破っている罪悪感でまともに声が出せなかった。


でも、彼らに悪意がないことだけがなんとなく分かった。少しずつ緊張が解けていく。


「待て待て、ここは俺が。俺たちは君に害を与えるつもりは無いんだ。ここで少し雨宿りさせてくれないかい?」


「迷惑掛けてごめんね。…雨がやむまで少し話さない?」


「俺ら怖くねぇぞ~。」


「あんたは黙ってて!誘拐犯にしか見えない!」


「ぬぁんだと!?」


「そこ二人!ちょっと黙ってろ!……とりあえず、こっちに来ないかい?」


今外は激しく雨が降り続いている。そんな中外に放り出すのは流石に可愛そうだな。昨日姉がきたばっかりだから数日は来ないはず。明日、日の出とともに帰って貰えばバレないかな?


あたしは静かに深呼吸をし、勇気を振り絞った。


「………日が昇ったら、すぐ、帰ってね。」


言った!言った!頑張ったあたし!チラッと相手の様子を伺う。


「あ、ありがとう。ねぇ、君。朝まで一緒にいる仲だし、自己紹介しないかい?」


「お、良いこと言うじゃねぇか。嬢ちゃんもこっち来いよ!」


「来いよって、ここはあの子の家じゃないの?」


「あ?だから迷子だって……嬢ちゃん、迷子なのか?」


「待て待て!質問を一気にするな、怖がるだろう。まず自己紹介だ。」


「よぉし、まずは俺からだ。」


「ん〜、その前にこっちにおいでよ。ちょっと遠くない?」


「あ?声は届くし、このままでも良いんじゃねぇか?」


「ばか!こんな小さな小屋の隅っことか寒いに決まってるじゃん!」


「お、確かに……。嬢ちゃーん、こっち来いよ。」


「君、こっちに来ないかい?」





「…………行く。」


あたしは気づかぬうちに口元に笑みを浮かべていた。







ちょっと早いですが、みなさん、良いお年を!!


来年もよろしくお願いします(*'▽'*)


気分が乗れば、☆1〜5まで評価お願いしますm(__)m



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