第四十六話△吸血族
お久しぶりです!!!
最近バタバタして更新できてなかったのですが、やっとできた…。
本編の更新は1ヶ月ぶりくらいです( ̄∀ ̄)遅れました…。
話の流れが全く分からない人もいると思いますので、簡単に。
メルリーナちゃんの過去編です。
メルリーナちゃん…!?誰っっ!?
と言う方は是非、1話だけ前に戻ってみてください。人物紹介あります(o^^o)
人物紹介が役に立つ…!!(*´∇`*)
吸血族。それは人間と似た容姿を持つが、性質が大きく異なる。赤く鋭い眼光と漆黒の髪を持ち、人間よりも先が尖った耳を持つ。そして、基本的に睡眠はしないが、月の下では身体能力が向上するため、比較的に夜に活動することが多い。
あたしの名前はメルリーナ。今年で産まれてから22年が経つ。
あたしの世界はとても小さい。今にも崩れ落ちそうな小屋で始まり、全てがその小屋で終わる。でもあたしは一人ではなかった。双子の姉が度々遊びに来てくれたし、少なかったけど姉がご飯も持ってきてくれる。
何年か前まではおじいちゃんもよく足を運んでくれていた。けど、なぜかある時からさっぱり姿を見なくなった。
「ねぇ、メルリーナ。私が来るまでの間、暇じゃないの?だってここ、なぁんにもないじゃない。」
あたしと全く同じ顔をした黒い髪を持った姉が赤い目を向け、流暢な言葉遣いで話しかける。姉とあたしの大きな違いは、髪と目の色。
「大丈夫。お空を見るの、楽しいよ。」
「…窓、曇ってるじゃない。何も見えやしない。」
姉があたしの住んでる小屋にある唯一の小さな窓を指差す。そこは様々な汚れがこびりつき、外がほとんど見えていなかった。
「お空の色、分かる。」
「ふーん。あっそ。」
一見ぶっきらぼうに見える姉だが、あたしにとっては唯一の話し相手。例え短い時間であっても、宝物のような大切な時間。
「ねぇ、メルリーナ。外に出たいとか思わないわけ?ここ、とっても狭いし。…ちょっと汚い。掃除とかしてるわけ?」
流石のあたしもこの言葉には傷ついたけど、姉は昔からはっきりものを言う人。むしろそっちの方がホッとする。
「むぅ、ひどい。ちゃんと掃除してるもん。…お外は、いかない。」
今まで、外に出た記憶がほとんどないあたしにとって、この小屋の外はすべて未知の世界。そんな世界に足を踏み入れる勇気があたしには無かった。
「ふーん、欲しいものとか無いわけ?」
姉が自分の爪をいじりながらあたしに問いかける。
自分から聞いたのに、あたしの答えには全く興味がなさそう。
「…絵本。」
本当は美味しいおやつとか、お洒落な服とか、たくさんあったはず。でも、あたしがそれを手にすることはない。
その時、遠くの方で姉の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「時間ね。じゃあ、メルリーナ。」
「うん、バイバイ。」
姉は私に背を向けてそそくさと小屋を出てしまった。誰かが姉の姿を探していたようだ。また、明日になったら遊びに来てくれるかな…。
今にも壊れそうな小屋にあたし一人だけ。ちょっと寂しい。
姉との会話は姉が一方的にあたしに質問して終わる。あたしからは質問しない。
だって、聞けば聞くほど、どんどん悲しくなるから。姉の好きな食べ物だって、最近の様子だって、あたしには全く関係ない。
姉は両親に愛され吸血族としての素質もあり、周りからの期待も大きく、忙しい毎日を送っている。
一方、あたしは真逆だった。両親の顔なんてろくに思い出せない。ずっとあたしに優しくしてくれたおじいちゃんも何年か前にぱったりといなくなってしまった。
あたし、おじいちゃんに何か悪いことでもしちゃったのかな。
どうして、来てくれないんだろう。
寂しい…。
久しぶりに感じたその感情を隠すように、あたしはその日、震えながら膝を抱えて眠った。
編集がなんとか〜という話を前回したかもしれませんが、何もせず舞い戻ってきました(*゜▽゜*)
気が向いたら……頑張る……。




