第四十四話☆ゴロゴロお野菜
とりあえず、全員分の食器を片付ける。
ちなみに体の小さなレアもお皿のサイズは一緒だ。レアの手に掛かれば体のサイズにあったお皿を作ることなど朝飯前なはず。私はふと気になり聞いてみる。
「ねぇ、レア。自分用のお皿は必要ないの?」
レアは少し首を傾げて、答える。
「リリィ。よく考えてみて。例えば今日のスープ。あのサイズに切られたお野菜が私のお皿に入ると思う?」
「あ…。」
た、確かに!私はレアは大きなお皿に入った野菜を食べる直前に自分で細かくしていたことを思い出す。
事前にもっと小さく野菜を切ればよかった。少し考えれば野菜のサイズがレアにとって大きいことくらい分かるはず。
こんなに近くにいるのに、レアが困っていたことに全然気づかなかった。私はその事実に恥ずかしくなる。
「レア、今度からは野菜をすごく小さく切るね!そっちの方が食べやすいよね?」
レアはぽかん、とした顔をした後、クスクスと笑いながら当たり前のように答える。
「え、別に大丈夫よ?だって、いちいち小さくしてたら料理にもっと時間がかかるでしょう?それに、お皿と具材が大きい方が食べ応えがあるし。」
た、食べ応え・・・。確かに食べ応えはあるだろうな。
まぁ、レアがそれでいいならいいかっ!今度からはもっとちゃんとレアのことを考えて生活しよう…!
その夜、大きな葉っぱに包まり、私はふと思う。
「そういえば、今日はお洋服じゃなくて、お布団を作るつもりだったはずなんだけど…。まぁ、いいか!」
次の日の朝、日が登る頃に私は目が覚める。この世界に来てから、朝起きる時間が早くなった。
庭に出て、両手を名一杯広げ、肺の中にたくさんの空気を取り込む。最近の日課だ。
今日も、私生きてる…!
そう実感するのだ。まだ明確に命の危機に晒されたことはないものの、異世界に来てから生きていることにしみじみと感謝するようになった。前の世界での生活がどれだけ恵まれていたか感じる。
ーーーどうして私はここに来たんだろう・・・?
ずっと心のどこかで疑問に思っていたこと。
夢オチとかじゃないよね?夢にしては長くて、全部がリアルで、そして暖かい。・・・暖かい?私は前、どんな生活をしていたんだっけ?
「・・・痛っ」
思い出そうと記憶を呼び覚ましていると頭に突然チクリ、と痛みが走った。
「リリィ?どうしたの?なんだか顔色が悪いけれど・・・」
「大丈夫!気のせいだったみたい!」
レアが心配な顔をして私の顔をそっとのぞき込む。
こ、こんな可愛い子を心配させるだなんて?!
私はちょっと気になるものの前の世界について考えることをやめた。
ちょうどその時、ゆっくり階段を降りてくる音が聞こえる。
「お、おはよう」
オッドアイの目を心配そうに瞬きながらおずおずと朝の挨拶をする。
「おはよう!朝ご飯一緒に食べよう!」
随分期間が空いてしまいました…m(__)m
多分この後ものーんびり行きます笑笑




